2003 Fiscal Year Annual Research Report
概日時計によるシアノバクテリアの細胞システムの時間的統合
Project/Area Number |
15GS0308
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 護 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (70154474)
小山 時隆 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324396)
岩崎 秀雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00324393)
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Keywords | 概日時計 / シアノバクテリア / 遺伝子発現リアルタイムモニター / 包括的遺伝子発現制御 / DNAチップ / システム生物学 |
Research Abstract |
シアノバクテリア(Synechococcus elongatus PCC 7942)で概日時計を中心としたシステムを解明するため、今年度は2つの基本的な解析手法の開発を行った。まず、杉田らが確定したゲノム情報に基づき、含まれるORFの解析を行い、これに基づきDNAチップを設計し作成した。他方、包括的な遺伝子発現のリアルタイムモニターを実現するために各ORFの上流部をレポーター遺伝子に接続するプロトコルの検討を行った。ここでは様々な発光レポーター、抗生物質耐性マーカーを自由に組み合わせるようゲートウェイシステムを採用し、パイロット実験から能率的な作成法を開発した。すでに系統的な作成を行っており、DNAチップと合わせ2つの包括的な解析方法がまもなく可能となる予定である。 一方リアルタイムモニター法をより高精度に行うため鉄道虫のルシフェラーゼを利用した、2遺伝子の同時リアルタイムモニター法を開発した。またこれを測定するため2波長測光が可能な288チャンネルの生物発光自動測定装置を新たに設計し、製作した。これらのシステムは既に稼働している。 これらの包括的解析のセットアップとともに、概日時計によるシアノバクテリアの包括的遺伝子発現制御を解析し、シアノバクテリアのすべてのプロモーターが概日時計蛋白質により包括的に制御されていることを見いだした。またシアノバクテリアではプロモーター活性はが概日時計成分と非振動成分により構成されており、これらの成分の相違と機能について解析した。一方、発現強度を適当に調整すれば大腸菌のプロモーターでも概日時計の進行が可能なことを見いだし、上記の知見と併せ、ゲノムレベルの制御を含んだ新たな時計モデルを提出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakahira Y, Katayama M, Miyashita H, Kutsuna S, Hideo Iwasaki H, Oyama T, Kondo T.: "Global gene repression by KaiC as a master process of prokaryotic circadian system."Proc.Natl.Acad.Sci.. 101. 881-885 (2004)
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[Publications] Kitayama Y, Kondo T., Nakahira N, Nishimura H, Ohmiya Y, Oyama T: "An in vivo dual-reporter system of cyanobacteria using two railroad-worm luciferases with different color emissions."Plant and Cell Physiol. 45. 109-113 (2004)
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[Publications] 上田泰己, 近藤孝男: "動的で複雑な生命現象のシステム生物学"細胞工学. 22、No12. 1306-1308 (2003)
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[Publications] 岩崎秀雄: "シアノバクテリアの概日リズム制御機構研究の新展開"細胞工学. 22、No12. 1309-1319 (2003)
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[Publications] 近藤孝男: "時計遺伝子の分子遺伝学(岡村・深田編)シアノバクテリア"シュプリンガーフェアラーク東京. 12 (2004)