2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経および血管細胞可塑性研究を基盤とした膜貫通型受容体立体構造解析システムの創成
Project/Area Number |
15GS0312
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 憲治 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (20112047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
林 謙一郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90238105)
森田 強 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80403195)
真柳 平 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (20432544)
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Keywords | 膜貫通型受容体 / GPCR / ドーパミンD1レセプター / PSD蛋白質 / 膜クラスター / LPAレセプター / シナプス / 血管平滑筋細胞 |
Research Abstract |
構造生物学の隆興により、シグナル伝達分子・細胞骨格蛋白質・転写因子・足場蛋白質などの立体構造が解明されてきた。しかしながら、GPCRを初めとした膜貫通型受容体の構造解析は研究の発展性と応用が期待されているにもかかわらず、その構造解析例は限られている。最大の理由は膜貫通型受容体が非水溶性蛋白質であり、可溶化→結晶化→立体構造解析という従来の構造生物学的手段を用いることが困難な点にあった。本研究は、我々が現在行っている神経・血管細胞可塑性研究を基盤として、生細胞の細胞膜上でGPCRを含む膜貫通型受容体を改変したPSD-zip45を用いて細胞質側からクラスター化を行い、このクラスターの高純度精製標品を極低温電子顕微鏡を用いて立体構造解析することにより、普遍的な膜貫通型蛋白質立体構造解析システムの確立を目的としている。本年度は、以下の研究を行った。 1.代表的PSD蛋白質であるPSD-Zip45に同じく我々が発見したPSD-Zip70のN末端側に存在するミリスチン酸化配列を付加し、GPCRの典型であるドーパミンD1レセプターの細胞膜面上でのクラスター化(直径数mm)を可能とした。ミリスチン酸化配列のさらなる改変によりD1レセプターのクラスター化がさらに亢進し、電顕観察で(フーリエ変換)で準結晶レベルに達することに成功した。そこでこの膜クラスターを電顕でモニターし高純度精製法を確立した。現在、膜クラスター標品を極低温電子顕微鏡を用いて構造解析を開始している。本法を応用して、LPAレセプター(LPA1)を始めとする他のGPCRについても検討中である。 2.神経細胞可塑性研究に関して、PSD-Zip45、PSD-Zip70と新規PSD蛋白質(GRIN1)のシナプス(殊にスパイン)ダイナミクスにおける役割をアクチン細胞骨格との関連で解明した。また、ストレス・グルココルチコイドにより大脳皮質形成障害が起る分子メカニズムとして、グルココルチコイドによるカルデスモン発現亢進が神経前駆細胞運動の阻害にあることを解明した。この研究は、統合失調症・うつ病・PTSDなどストレスと関連する精神疾患発症の分子機構につながるものと期待される。 3.血管平滑筋細胞可塑性研究で、BMPによる血管平滑筋細胞の骨細胞への異分化は、ホメオ転写因子であるMsxによるmyocardin機能抑制によることを解明した。
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Research Products
(10 results)