2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15GS0319
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝淵 弘三 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00169377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90304170)
黒田 真也 東京大学, 大学院情報理工系研究科, 特任助教授(科学技術振興特任研究員、常勤形態) (50273850)
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Keywords | 細胞極性 / CRMP-2 / Par-3 / Sra-1 / WAVE1 / チューブリン / アクチン / エンドサイトーシス / 運命決定 |
Research Abstract |
生体を構成する種々の細胞はその固有の機能を発揮するために極性を獲得する。本研究では炎症細胞や線維芽細胞、内皮細胞、神経細胞の細胞極性を制御する細胞外シグナルやその伝達メカニズムを明らかにすることを目的としている。 1)細胞の極性形成を制御するシグナル伝達の解析 神経細胞の極性形成に重要な役割を果たすPar3がRacの活性化因子であるSTEF/Tiamlに結合することを見出し、Cdc42の下流でPar複合体がSTEF/Tiamlを介してRacの活性を制御することにより細胞極性生の形成に寄与していることを示した(Nishimura et al.)。また神経細胞の軸索と樹状突起の運命決定に関わるCRMP-2の結合分子として、アクチンダイナミクス制御分子であるSra-1/WAVE1を見出し、CRMP-2の下流でチューブリン、小胞輸送のみならずアクチン細胞骨格が制御されることが神経突起の運命決定に重要であることを示した(Kawano et al.)。さらに、CRMP-2の上流にRas/PI3-kinase/Akt系が存在し、神経栄養因子等の細胞外シグナル依存的にCRMP-2の活性を制御していることも明らかにした(Yoshimura et al.)。 2)微小管ダイナミクスの解析 これまでにCRMP-2が神経軸索先端でチューブリンの重合を促進することが軸索の運命決定・伸長に重要であることを示してきたが、新たにCRMP-2がモーター蛋白質キネシンの軽鎖に結合し、CRMP-2を介してチューブリンが軸索先端に輸送されることを見出した。CRMP-2はチューブリンの重合と共に輸送を制御することで軸索形成を制御していることを示した(Kimura et al.)。 3)小胞輸送と極性形成および遊走の関係 Rhoのエフェクター分子であるRho-kinaseがクラスリン被覆の形成に関わるendophilinをリン酸化し、EGF受容体のエンドサイトーシスを抑制することを見出した(Kaneko et al.)。またNumbはCRMP-2と共にエンドサイトーシスを調節することを示してきたが、新たにNumbがCdc42の活性化因子であるIntersectinと結合することを見出し、Eph-B2の下流でCdc42を活性化することにより樹状突起のスパイン形態形成に重要な役割を果たすことを示した(Nishimura et al.)。
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Research Products
(10 results)