2015 Fiscal Year Annual Research Report
大規模災害時における救援者のストレスを緩和するセルフケアに関する研究
Project/Area Number |
15H00047
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Research Institution | 長岡赤十字看護専門学校 |
Principal Investigator |
平野 美樹子 長岡赤十字看護専門学校, 看護学科, 専任教師
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 大規模災害 / 救援者のストレス / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
〈研究目的・方法〉本研究では、東日本大震災への災害派遣を経験した病院看護職を対象とし、個人のおこなったストレス緩和方法(セルフケア)の有効性を検討した。無記名自記式質問紙調査をおこない、調査内容は、1)セルフケア項目と効果的セルフケア数、2)コーピング尺度、3)組織的ストレス緩和策、4)組織的支援策、5)GHQ-12、6)高ストレスフルイベント数、7)人口学的属性とした。1)4)6)については、専門家による検討にて内容妥当性を確保、また6)については、探索的因子分析および確認的因子分析で構成概念妥当性を確認した。統計解析には、SPSS16.OJおよびAmos 23.0を用い、各変数の個人的属性および派遣状況による差の検定、効果的セルフケア数を従属変数とした重回帰分析を実施した。〈結果〉実施率が高く効果的なセルフケア項目は、「チームメンバーやリーダーと話すこと」、「睡眠・休息をとること」、「清潔を保つこと」、「温かい飲み物を飲むこと」、「ユーモア・笑うこと」などであった。超急性期では、「指圧やマッサージ」、物事の見方を変え、プラスの意味をみいだす「リフレーミング」、急性期では、自律訓練法、筋弛緩法などリラクセーションの方法、「好きな本を読むこと」、亜急性期では、「一人になる時間を持つこと」などが効果順の上位に入っていた。看護師よりも助産師、また情報提供が役立った人、派遣日数3日以内に比べ4日以上において効果的セルフケア数は多く、有意差が認められた。また、効果的セルフケア数は、心のケアチームで最も多く、他の活動形態との間に有意差が認められた。重回帰分析の結果、効果的セルフケア数は、組織的ストレス緩和策下位尺度〈健康を保つための支援〉と弱い正の相関、高ストレスフルイベント数との間に弱い負の相関がみられた。〈考察〉効果的なセルフケア数は、助産師、そして心のケアチームにおいて多く、日頃から呼吸法やその他のリラクセーションを指導することや、自ら実践する機会が多いためではないかと考えられた。また、3日以内の派遣において効果的セルフケア数が少なく、派遣日数が短い場合、移動を含めると極めて過密なスケジュールとなるためではないかと推察された。また、d適切な情報提供がなされることは、セルフケアを含め状況にあわせた個人装備を整えることに寄与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)