2015 Fiscal Year Annual Research Report
知識及び技能を活用する力を育てる低学年算数科指導の工夫
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15H00161
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
熊野 めぐみ 広島大学, 附属東雲小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 既習の内容 / 活用 / 関連づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
1 本研究の目的 本研究では, 既習内容の少ない低学年(本研究では6学年を低学年・高学年に分類し, 第3学年を低学年に位置付ける。)算数の学習において, 既習の学習内容・生活経験を整理し, 新たに学習した内容との関連付けを図る算数的活動を取り入れて作成した授業モデルを活用し授業を行う。このような活動を通して, 低学年期においても身に付けた知識及び技能を活用して課題を解決する力を育てることを目的として研究を進めた。 2 研究方法 (1) 文献研究による理論の構築 (2) 第3学年算数科における授業実践 単元「三角形」 3 研究成果 (1) 文献研究により, 知識及び技能を活用する力を育てるためには, 児童がもっている知識の中から問題の解決に使えるものを正しく選択できるようにする必要があり, それには基礎的・基本的な知識を想起させることが必要であることが分かった。そして, そのための活動を次の2点にまとめることができた。 ①既習の内容をノート等に整理し, 未習の内容と既習の内容の接点を明らかにする。 ②学習に必要な既習内容を自ら調べ直して, 新しい学習内容に必要なことを見いだす。 (2) 「三角形」の学習で, 既習内容を関連づける算数的活動を取り入れて実践研究を行った。児童は既習の内容である, 「三角形は3本の直線に囲まれた形」であることや, 直角三角形の性質を当該単元に関連する内容として学習前に想起した。また, 低学年は既習の内容に合わせて生活経験の中で身に着けている生活知も踏まえて学習の中で柔軟に活用できるようにした。正三角形・二等辺三角形・一般三角形の3種類の三角形について, こちらから分類の視点を与えず児童の知識を基に自由に分類をして全体交流により気付きを促すことを2度繰り返した。そのことにより, 児童それぞれの既習の内容を全体に広げ, 当該学習の三角形の性質に気付くことができた。 この授業実践により, 低学年における「知識及び技能の活用」には, 既習の内容に合わせて生活知を算数化し, 交流等を通してその過程を自覚していく必要があることが分かった。
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Research Products
(1 results)