2015 Fiscal Year Annual Research Report
小学校理科における論理的思考と「対話」の関係を探るリフレクション研究
Project/Area Number |
15H00183
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Research Institution | 山鹿市立中富小学校 |
Principal Investigator |
原口 淳一 山鹿市立中富小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 小学校理科 / 論理的思考 / 授業リフレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、授業ビデオを使用したリフレクション(授業後の省察)の中から、小学校理科授業における論理的思考力の育成と子ども同士の「対話」との関係を明らかにすることを目的としており、理科授業中の児童の様子(発話・行動)を多く記録してデータ化するとともに、そのデータを質的に分析して、指導法の開発やカリキュラム開発に活かすことをねらいとしていることが特色である。 そこで、(1)理科授業における児童の発話のデータ化と分析、(2)認知心理学的アプローチによるデータ分析及び資料収集、(3)研究成果を活かした指導法開発及びカリキュラム開発などを中心にして研究を進めた。特に、本年度は、小学校第6学年「生物と環境」及び第3学年「昆虫」「重さ」における児童の追究に伴う児童同士の対話と論理的思考に着目した。 研究の成果として、授業中にグループや学級全体での対話を充実させることは、友達からの指摘により根拠となる事実(観察・実験の結果)を見直させたり、事実と事実の関係を明らかさせたりするとともに、生活経験を掘り起こし比喩的な表現で分かりやすく説明する豊かな理由づけを表出させるなど、論理的思考を促すことに有効であることが明らかになった。例えば、バランスドアクアリウム(閉鎖系の水槽)の中の生物の関係について、「長期間水が汚れず水替えが必要ない」や「水槽内の水草が成長している」という事実を関係付けながら、「陸上で『土に返る』というのと同じで、小魚の糞は水中の微生物に分解されて水草の栄養になっている」と説明する子どもの発言が見られた。 また、このような子どもの事実を、ビデオを使った授業リフレクションによって複数の教師で共有することは、授業中に子どもを見取る目とともに、瞬時に対応し授業をリ・デザインする教師の力量形成につながると考える。このようなことを丹念に繰り返すことにより、一人一人の子どもに寄り添い無理なく論理的思考力を育成する授業をデザインすることにつながっていくことも着目すべき事実である。
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Research Products
(1 results)