Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 協同での電気自動車の開発体験を通して, エンジニアリングの素養を育成する学習指導法を開発し, 中学生の創造性, 技術的課題解決力, 技術の評価力, 技術観・職業観に及ぼす教育効果を検証する。 研究方法 電気自動車(充電式乾電池による省電費競技車)製作の中で, 協同で開発を体験し, 生きた科学・技術を学ばせることは, 中学生の創造性, 技術的課題解決力や技術の評価力, 技術への興味・関心を高めると共に, エンジニアなど, 技術に関する職業に興味を持たせ, 関連した職業観の変容を促すと考えられる。 教育効果の検証は, 次の4つの調査で行う。1)電気自動車製作における知識面の調査, 2)技術者(エンジニア)を鍵概念とするイメージマップによる調査, 3)協同での技術的課題解決力と技術観・職業観の変容の調査。協同での技術的課題解決力の構成要素として創造的思考・創造的技能・創造的態度・チームワークカ・コミュニケーションカに関する24項目を設定し5件法で作成した。技術観・職業観では, 「アイデア共有の価値認識」「創造的活動への意欲」「発明への関心」「知財の尊重」「技術に関連する職業への興味・関心」「技術の重要性に対する認識」の6因子21項目を設定し5件法で作成した。4)事後に生徒が伸びたと自覚した力等の調査。選択肢, 記述式, 5件法, 自由記述による7項目を作成した。 研究の成果 1) 技術観・職業観の因子は, 「技術の重要性に対する認識」について有意な意識の変容が確認できた。2) 協同での技術的課題解決力の構成要素の中で, 創造的態度, コミュニケーションカ, チームワークカについて有意な意識の変容が確認できた。3) イメージマップの結果から, 本実践により技術や技術に関連した職業について, より明確に意識をするようになったと考える。4) 生徒達自身も, 技術的課題解決力の伸び, 技術観・職業観について意識の向上を実感していることが確認できた。
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