2015 Fiscal Year Annual Research Report
ケースメソッドを用いた中学校技術科「科学技術ガバナンス」の教材化に関する研究
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15H00238
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西本 彰文 熊本大学, 教育学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | ケースメソッド / 技術・家庭科 / 評価・活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国を取り巻くグローバル社会において「イノベーションの創出」の概念と対となる「科学技術ガバナンス」は重要な概念であり, 義務教育の段階からその基礎を培う意義は大きい。そのためには, 教師自身がこれらの概念について理解を深める必要があり, 教員養成段階での育成カリキュラムの構成および, 中学校での授業デザインは急務である。 本研究は, 中学校技術・家庭科技術分野における「科学技術ガバナンスの育成のためのケースメソッド教材」の開発および実践を目的とし, 教員養成課程での「プレゼンテーション演習Ⅱ」(教員養成課程3年次)および, 中学校技術・家庭科技術分野「評価・活用」(第3学年)を対象とした2つの実践を試みた。 ケースメソッドの導入に際しては, ①複数内容に跨るテクノロジをケースとすること, ②難易度の設定(良構造から不良構造問題へ)③思考ツール(システム思考を組み込んだWS)の利用の観点を設定した。 具体的には, 教員養成系科目「プレゼンテーション演習Ⅱ」では, プレゼンテーションの最終課題としてケース創造課題を設定し, ケースメソッドおよび科学技術ガバナンスの理解を狙った実践を行った。また, 中学校第3学年技術・家庭科「評価・活用」場面を対象とした取り組みでは, 附属中学校の教員と協働し3Dプリンターを中心としたケースを提示し, 次に, これまでの中学校での。学習を統合する問いとなるよう, 生徒には, 「これからの技術(テクノロジー)とあなたはどう向き合っていくことが求められているのか」について思考を深め科学技術ガバナンス。についての理解を深めさせた。 本取り組みの結果, ケースメッソッドを用いた授業実践の実現可能性が示唆され, また, 生徒が記述したWSから科学技術ガバナンスの重要性についての理解が高まったことが読み取れた。
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Research Products
(5 results)