2015 Fiscal Year Annual Research Report
CAEと3Dプリンタを活用した、機械設計教育に関する研究
Project/Area Number |
15H00242
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
松尾 征一郎 鹿児島工業高等専門学校, 技術室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | CAE / 3Dプリンタ / CAD |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 製造業の多くでCAD/CAM/CAEの導入が進んでいる。また、3Dプリンタの登場で安易にプロトタイプも作製できるようになってきた。教育現場においても3DCADの授業が導入されてきており、それに伴い、CAE教育の導入も重要視されているが、限られたCAD教育の授業時間の中ではCAEまで行える状況にいたっていない。この問題意識から本研究では、限られた授業時間内で実践力のある設計エンジニアを育成するため、CAEと3Dプリンタを活用した機械設計用実習教材の開発を目的とする。 研究方法 1. 本校の授業時間内でCAE基礎教育と3Dプリンタによる試作まで行う内容を確保するため、モデリング題材は複雑でなく樹脂で作製した場合約20gとなる形状を検討した。 2. 3DCADモデルのCAE解析は、材質として3Dプリンタの材料としてあるABS、PLA、ナイロンの3種類とした。荷重条件・拘束条件を検証し、最適解析条件を検討した。 3. 3DCADモデルを、3Dプリンタにより解析と同様に3種類の材料で試作した。各材料の試作品に破断するまで荷重をかけて実験を行い、破断時の実測値と解析値を比較検証した。 4. 解析値と実測値の検証を基に、CAE解析と3Dプリンティングの実習書を作成した。 研究成果 解析値と実測値を比較するとABSとPLAについては大きな差は出なかった。ナイロンの実験では引張強さが大きいために破断が起きず、正しい実測値を出せなかった。この事から、ABSとPLAは教材に有効利用できる事が判断できた。 教材作成によりCAE解析の一連の流れを授業時間内で習得させ、根拠を示す設計の必要性の教示が可能となった。3Dプリンタによる試作はプリント時間が大幅にかかり、授業に導入する事は出来ない状況だった。そのため、3Dプリントされた試作品を事前に用意しておき、実験のみを授業内で行う事等を検討する必要がある。
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