2015 Fiscal Year Annual Research Report
「ベテラン職人の加工技術」の可視化教材開発とその活用による実習教育改善へのトライ
Project/Area Number |
15H00243
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
松田 英昭 秋田工業高等専門学校, 技術教育支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | コツの可視化 / モーションキャプチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
秋田高専では全学科を対象としたものづくり工作実習が行われている。ものづくり工作実習ではものづくりの基礎を学び体験させることにより, 技術者育成に必要な判断力や想像力を養うことができる。手仕上げや溶接では道具の使い方を含めた体の使い方が重要になっており, 自分自身の感覚を頼りに覚える必要があった。しかし, その感覚は個々で異なるため教授が非常に困難である。作業のコツとなるポイントを学生に分かりやすく伝授することを目的に, 作業のコツの可視化システムの構築を行った。 本研究ではノートパソコンと2台のWEBカメラを使用して作業のコツの可視化システムを構築した。撮影した画像からモーションキャプチャ用ソフトウェアにより2次元の動画を3次元でポリゴン化して動作の特徴を抽出した。構築したシステムの利点および特徴は次のとおりである。(1)加工中の姿勢や動作がデータ化され, 定量的に評価できる。(2)3次元のポリゴンで表示できるため, 自分自身の動きを細かく何度も色々な角度から確認できる。(3)さらに職人の動きと比べることにより, 学生は自らの動きとの違いを視覚的にとらえることができる。 次に構築したシステムによる作業のコツの可視化および抽出を行った。やすりがけ作業について学生の動きと職人の動きを比較した結果, 職人の動きは上下の変動も少なく, 左手首・右手首・右肘の3点と上半身の動きはシンクロしていることが分かった。上半身に大きな動きがないということは下半身を使って体全体で作業を行っているといえる。これに対して, 学生は手だけが動き, 各関節の距離や高さの変動が日立った。手だけで作業しようとするとヤスリの平行移動が難しくなっていると考えられる。両者の動作の違いは作品の出来栄えにも表れており, 本システムの有効性を確認することができた。 今後は本システムを利用した授業における教授法の研究を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)