2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H00367
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
堀井 直宏 福井工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術専門員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 原子力 / 放射線 / 教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
福井県は日本有数の原子力発電所の立地県であり、多くの卒業生が原子力発電に関する業務に携わっている。しかし、福島原子力発電所の事故によって、原子力関連分野に対する印象は著しく悪化し、本校においても原子力関連技術を志す学生の割合が低下する傾向にある。特に、脱原発という言葉が一人歩きすることによって、ただ単に原子力発電所を止めれば問題が解決すると誤解している学生も散見される。しかし、老朽化した発電所の廃炉技術や放射性廃棄物処理等に関する技術の確立は、将来的に必要不可欠なものである。今後のエネルギー政策の変化に関係なく、原子力関連分野に進む人材の減少は避けなければならず、放射線教育の重要性は益々高まっている。 そこで、本研究では、単なる放射線の理解だけではなく、放射線の遮蔽や安全性の評価、定量的な放射線測定等、原子力関連分野で克服すべき技術的な問題を学生が体験的に理解可能な実験教材を開発し、原子力人材育成につながる学生実験についての研究を行った。 実験教材は高専4年生および5年生程度を対象として開発し、4週間/クールで行われている学生実験で用いながら改良を行った。自然放射線の線量計測では、学生が自然放射線量を計測する際の基準となるデータを収集し、測定機器による精度差やセンサーの違いによる誤差との関連性を調べた。次に、放射線量の距離依存性の測定を安全に且つ正確に行える実験装置の開発を行った。放射線を定量的に測定し、その影響を考察するには、従来、高価な実験装置が必要であったが、市販品の放射線測定機と、自作した放射線の遮蔽実験が行える機能を付加した放射線強度の距離依存性実験装置を組み合わせることで、小規模な学校であっても放射線の定量的評価実験が可能な教材を制作することができた。
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