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2015 Fiscal Year Annual Research Report

SfMによる3D手法を利用した風食木簡痕跡明瞭化の研究

Research Project

Project/Area Number 15H00378
Research InstitutionNara National Research Institute for Cultural Properties

Principal Investigator

中村 一郎  独立行政法人国立文化財機構, 企画調整部写真室, 専門職員

Project Period (FY) 2015
Keywords風食 / SfM / 微地形復元
Outline of Annual Research Achievements

1、研究目的 本研究は長い年月埋もれることによって、木地に墨書された文字資料で墨書の墨が何らかの理由により消失してしまったものの、その木質と墨書部分との腐食(風食)進行の差異により文字部分が浮き上がる「浮き上がり文字」を鮮明に判読するための研究である。
特に遺跡から出土する木簡資料は墨書が明瞭でなく、浮き上がりのみが残存するものも少なくない。これらの木簡を明瞭にする新たな手法を加えることにより木簡研究の前進に役立てることが可能と考える。
2、研究方法 研究にあたっては、浮き上がり文字資料に対して鋭角で高コントラスト名な光線状態を作るために、従来の照明機材を活用し、まずはくぼみ状態の文字資料である焼き印を対象に検討をすすめた。撮影画像を解析するためにAGI社のPhotoScanを導入し、撮影画像の3D解析をおこなった。得られた3Dデータは微地形復元技術であるPEAKIT(特許 : (株)ラング)の処理を実施し、よりノイズの少ない文字痕跡抽出をおこなった。また、事前情報収集として早稲田大学の調査する埴輪の制作痕跡3D調査に参加し、三次元解析処理技術の情報収集をおこなった。
3、研究成果 本研究を進めるポイントとなる技術の3D解析は色差・色相差を利用して画像解析をおこなっている。本研究で使用する照明方法の斜光線写真は、影を強く付けるために光を硬質に設定して撮影する必要がある。一般的に写真撮影に使用する軟質の光はコントラストが低く、撮影対象物の色差・色相差も少なくなる。硬質の光はコントラストが高く、SfMに使用した場合斜光線での明瞭画像と相まって3D的に墨痕を明瞭化できることを確認した。
本研究は視覚的に盛り上がりを拡大することで墨痕のみが残った木簡を明瞭化する手法である。PEAKIT処理を使い、ノイズの影響を排除してより精度を高めることが可能と確認することが出来た。使用する機材等は通常のカメラでも問題無く、ソフトウェアも比較的安価に入手できる。それらの技術を簡便にする手法の確立が今後の課題である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] SfMによる3D手法を利用した風食木簡痕跡明瞭化の研究2016

    • Author(s)
      中村一郎
    • Journal Title

      文化財の壺

      Volume: 4 Pages: 28-29

  • [Journal Article] SfMによる3D手法を利用した風食木簡痕跡明瞭化の研究2016

    • Author(s)
      中村一郎
    • Journal Title

      文化財写真研究

      Volume: 7

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] SfMによる3D手法を利用した風食木簡痕跡明瞭化の研究2016

    • Author(s)
      中村一郎
    • Organizer
      第一回文化財方法論研究会
    • Place of Presentation
      奈良文化財研究所
    • Year and Date
      2016-01-16

URL: 

Published: 2016-12-27  

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