2015 Fiscal Year Annual Research Report
シンプルなパターン分類アルゴリズムを用いた全方位画像による屋内位置推定
Project/Area Number |
15H00383
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松原 重喜 大分大学, 工学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 屋内位置推定 / 全方位画像 / パターン分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 近年, GPSの使えない屋内での自己位置推定のため, センサ類を用いて環境の情報を取得する方法の他, ビーコンや無線LANを用いる方法など多く検討されている。その一つに, 全方位カメラの画像を用いる方法があるが, しかし, その演算コストは非常に高く, 推定地点数の増加により演算量は膨大になるため負荷が大きいという問題がある。そこで本研究では, 多地点での全方位画像による屋内位置推定を低負荷で行うため, 位置推定に演算コストの低いシンプルなパターン分類アルゴリズムを用いる方法について, シミュレーション実験により有効性を確認した。 研究方法 : シミュレーション実験では, 全方位画像のデータセットを用いて, テスト画像がどの位置の学習画像と最も類似しているかをシンプルなパターン分類アルゴリズムにより決定する実験を行った。データセットは, 別室の10地点, 及び, 同室の約2メートル間隔の10地点の2種類のデータで, 汎化のため全方位カメラの向きや位置を変動させながら1地点につき50枚ずつ撮影して作成した。パターン分類アルゴリズムでは, 前処理として, まず全方位カメラのカラー画像をグレースケール画像に変換した後, その縦方向と横方向の射影ヒストグラムを離散フーリエ変換して縦横2つの振幅スペクトルを求め, その中で特徴がよく表れている低周波の合計14成分の振幅値を分類のための特徴ベクトルの要素とした。類似度評価には, テストデータのベクトル要素それぞれが学習データの上限値と下限値の間にあるかを比較判定するシンプルな範囲チェックを用いた。 研究成果 : 実験結果は, 1地点につき10枚ずつランダムにデータを抽出して学習し, 残りのデータでテストする形で100回繰り返し行い, その平均で求めた。位置推定の精度としては, 別室で99.3%, 同室で98.7%となり, シンプルなパターン分類アルゴリズムを用いた全方位画像による屋内位置推定の有効性が明らかになった。
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