2015 Fiscal Year Annual Research Report
ポータブル型針貫入試験装置によるかぶりコンクリート表層の凍害劣化診断法の開発
Project/Area Number |
15H00394
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齋藤 憲寿 国立大学法人 秋田大学, 工学資源学研究科技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 針貫入試験 / かぶりコンクリート / 凍害 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 東北地方などの積雪寒冷地域では凍害によるかぶりコンクリートの劣化が多数報告されている。限られた予算で社会資本施設の長寿命化を図るためには劣化の範囲や深さを的確に把握する必要があるが, 深さ方向の劣化に対しては評価手法が確立されていない。本研究は, かぶりコンクリートの深さ方向の劣化程度を現位置で簡易に評価することを目的として, ポータブル型針貫入試験装置を作製し, 凍害により劣化したかぶりコンクリート表層の診断法を検討した。 【研究方法】 データロガー, PC, 荷重センサ, 変位センサおよび貫入針等を組み合わせることにより針貫入試験装置を作製した。供試体は水セメント比の異なる角柱(100×100×400mm)を製造し, 養生後, 凍結融解試験(JISA1148(A法))にて供試体の劣化を促進させた。そして, 相対動弾性係数が100, 80, 70, 60%程度となる場合に供試体側面より小径コア(Φ25×h50mm)を採取し, 深さ10mmごとに針を貫入させて貫入抵抗値を測定した。さらに同範囲にてひび割れ密度を測定後, 圧縮強度試験を行い貫入抵抗値との関係を求めた。 【研究結果】 コンクリートの貫入抵抗値と圧縮強度の関係を求めることにより, かぶりコンクリート表層の強度を簡易的に評価できることが示唆された。また, 水セメント比, 養生条件, 凍害による劣化程度に関係なく貫入抵抗値とひび割れ密度には相関関係が認められ, 角柱供試体表面から深さ0~10mmの位置において貫入抵抗値の低下が顕著であった。したがって, 本研究の範囲内における耐久性低下の要因としてスケーリングによる表層部の脆弱化が支配的であることを裏付ける結果となった。
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