2015 Fiscal Year Annual Research Report
透水性環境保全型のシラスを活用した畜舎床簡易舗装の開発
Project/Area Number |
15H00397
|
Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
福永 隆之 鹿児島工業高等専門学校, 技術室, 技術職員
|
Project Period (FY) |
2015
|
Keywords | しらす / 舗装 / 透水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、南九州に広く分布するしらすを主原料とした保水性を有する多目的型舗装の開発である。この目的のため、実験的検討を実施した。以下にその概要を説明する。 しらすを細粒分と粗粒分に分級し、各粒度におけるしらすの物理的性質や鉱物組成など化学的性質を明らかにした。その結果、粗粒部の鉱物組成は主に、石英や曹長石をなどの結晶質の鉱物で構成されていた。一方、細粒分は主にガラス質などの非晶質で構成されていた。 その後、各シラスの粒度ごとにセメントおよび硬化補助材との化学反応性を確認し、粗粒分のしらすは、透水性硬化体の作製を検討した。その結果、細粒分のしらすはフライアッシュと同程度の能力を示すことが明らかになった。また、粗粒分のしらすを用いて透水性硬化体を作製することができた。 次に、細粒分と粗粒分に分けたしらすを用いて、上層に透水層、下層に非透水層を有する硬化体の作製を行い、各種試験を行った。その結果、作製した硬化体に保水性があることを確認した。これは、上層に使用した粗粒分のしらすのサクションにより保水性が保たれていると考えられる。このように、保水性も比較的よく、十分実用性があるものであるが、曲げ強度が比較的弱いことが分かった。そこで、下層の水セメント比を小さくし、強度増進を図った。その結果、強度も比較的高い供試体が作製でき、保水性も比較的良いことが分かった。また、風化したシラスを用いて同様の検討を行った。その結果、風化していないしらすと同様の結果を示すことが分かった。 これより、本研究の方法は鹿児島県の多くのしらすに適用できることが分かった。このように実用化に耐えうる透水性舗装の開発を行うことができた。
|