2015 Fiscal Year Annual Research Report
地中熱利用ヒートポンプシステムの遠隔モニタリングシステム作成
Project/Area Number |
15H00398
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 桂史 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 地中熱利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地中熱利用ヒートポンプシステムの性能に影響する熱交換井の遠隔モニタリングを行うためのシステムを開発した。地中熱利用ヒートポンプシステムは、地下との熱エネルギのやりとりを行う事で、地上の熱負荷に対して高効率な熱供給を行う事が出来るものである。ヒートポンプシステムは、熱交換の際の温度差が大きいほど効率が悪くなる。地中熱は、年間を通じて安定的であり(15℃前後)この温度を安定させる事が、高効率で稼働させるために必要である。また、地下水流れが熱の移流効果が発生し供給熱量が増すため、水位のモニタリングも重要であり、これらを屋外で長期間、取得・送信するシステムを作成した。 計測機器(データロガー、センサー)は、他の研究でも何回か利用しており、まずは(1)外部バッテリとソーラーシステムの最適化、(2)安全に遠隔サーバに送信するシステムの構築を優先して構築した。また、このシステムは可搬型にするためソーラーパネルのサイズの制約があるため、その発電量でどれだけ連続稼働が可能かなど、様々な条件で試験を行い、その後、実際に地中熱利用ヒートポンプシステムが稼働しているフィールド(石巻市)に持ち込んで実証試験を行った。 可搬型としたためサイズ変更、消費電力の低減のためのデバイスの変更等を行いシステムを完成させた。最終的には(1)エネルギー供給部は、115Ahのディープサイクルバッテリ、100Wのソーラーパネル本システムと制御システム、(2)データロガーおよびセンサー、(3)通信モジュールと小型PC(RaspberryPi)で構成した。サーバヘはOpenVPNで暗号化した通信接続を行い、MVNO等のインターネット網でも遠隔からのコマンド操作およびデータのやりとりを可能にしたシステムとした。小型PC内でデータベースも稼働させ、自律制御も行う事ができるよう拡張性をもたせた。
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