2015 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄ガラス繊維強化プラスチックをリサイクルした水質浄化セラミックスの開発
Project/Area Number |
15H00401
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
安井 賢太郎 宮崎大学, 工学部教育研究支援技術センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 廃棄ガラス繊維強化プラスチック(GFRP) / セラミックス / 水質浄化 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 年間約40万トンの廃棄ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)が埋立て処分され、そのリサイクル技術の確立が課題である。また、畜産・生活排水等による河川や湖沼の水質汚染も早急に解決すべき課題である。本研究は、廃棄GFRPのリサイクル利用のため、粉砕したGFRPを粘土と混合・焼成し、ガラス繊維強化多孔質セラミックスを作製し、高い水質浄化機能を有するセラミックろ過材を開発することを目的とする。 ○研究方法 GFRPの粒径(0.5mm以下、0.5~1mm)、GFRPの粘土への混合率(0~60 mass%)及び焼成温度(1000℃、1100℃)を変えて数種類のセラミックスを作製した。セラミックス物性測定では、透水性、細孔分布、曲げ強度を求めた。模擬濁水を用いた濁度除去試験では濁度100度の濁水をろ過し、濁度除去率と細孔分布の関係を求めた。水質浄化試験では八重川の河川水をろ過し、濁度、SS及びTOC除去率を求めた。 ○研究成果 試験片A(粒径0.5mm以下、混合率60%、焼成1000℃)を例にとると、セラミックスの透水係数は0. 01cm/sであり、粒径を変えることで0.1cm/sまで調整できた。曲げ強度は3~10N/㎟程度を有し、混合率を高くするにつれて強度が低下した。模擬濁水を用いたろ過では、試験片Aの除去率は85%であり、除去率の低いもの(試験片B)で10%であった。濁水中の粒子径分布が1.5~20μmに対し、試験片Aの細孔分布は5~100μm、試験片Bは20~300μmの範囲であり、セラミックスの細孔分布をろ過対象水中の粒子径分布に合わせることで効率的なろ過が可能となることが明らかになった。河川水(濁度34度、SS9.0mg/L、T0C2.2mg/L、粒子径分布20~200μm)を用いたろ過では、試験片Aの濁度除去率は84%、SS除去率は100%であった。TOCは溶解性のため殆ど除去できなかった。河川水中の粒子径分布を下回る細孔分布を有するセラミックスが高い除去率を示した。 以上より、汚染水中の粒子径分布に合わせたセラミックスを作製することで水質浄化が可能である。
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Research Products
(3 results)