2015 Fiscal Year Annual Research Report
顕微鏡の中の小宇宙 : 微生物蛍光観察のための実験ツールの開発
Project/Area Number |
15H00426
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 高子 長岡技術科学大学, 技術支援センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 環境工学実験 / 微生物観察 / FISH法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、環境工学の教育現場における学生実験で、ライフサイエンス技術を利用した最先端の実験手法を導入することを目的とし、その実験効率化と実験テキストについて検討を行なったものである。 本研究において着目したFISH法の簡便化については、既存プロトコルの時間縮減キーポイントとして、ハイブリダイゼーション時間の削減、ウォッシング時間の削減、プローブ素材について検討を行った。 これまでの研究により、ハイブリダイゼーション時間を従来の半分程度まで短縮できることを確認しており、今回はさらなる時間短縮を目的にホルムアミド濃度の検討を行なった。その結果、従来の60%程度の時間短縮が可能となった。次に、目的とする微生物のみを視覚化するため、目的外のRNAにハイブリダイズした蛍光指標を洗い流すウォッシング時間の削減について検討した。これまで用いてきた微生物とは異なる微生物を使用して検討した結果、今回実験に用いた微生物種においてはウォッシング時間を10%程度短縮することを確認した。プローブの素材に関しては、交雑効率の高い人工核酸と、蛍光標識を付したプローブDNAを2個修飾する重複プローブの手法について、学生実験に導入する際の適切さについて検討した。また、単修飾プローブにおいて、一般的に流通しているプローブと独自に設計したものを用いての検討も行い、設計したプローブにおいても交雑効率が問題ないものと判断できた。 実験テキストの作成は、受講者レベルに適合したテキストとなるような、環境微生物、FISH法に関して図説を豊富に取り入れると共に、環境工学に関する学生実験を受講する者の中には微生物実験用器具をほとんど使用したことがない学生がいることも視野に入れ、バイオ実験の基礎的資料をテキストに取り入れた。 本研究成果を教育現場に応用するため、今後は最適な人工核酸と微生物種の選定を行っていくことが課題である。
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Research Products
(1 results)