2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H00500
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
萩原 真生 愛知医科大学, 薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 多剤耐性緑膿菌 / 肺炎感染モデル / 併用療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 多剤耐性緑膿菌に対する至適抗菌薬と投与経路における抗菌効果の関係について調査を行った。 【研究方法】 愛知医科大学病院にて臨床分離された多剤耐性緑膿菌株に対する各種抗菌薬の最少発育阻止濃度(MIC)はClinical and Laboratory Standards Institute (CLSI)のガイドラインを順守した液体培地希釈法を用いた。チェッカーボード法を用いて多剤耐性緑膿菌に対して有効な併用療法を選択した後、ヒトの血中薬物動態を模擬した抗菌薬の併用療法(注射)または、吸入投与の併用療法とマウス肺炎感染モデルを用いた薬力学試験を行った。サンプリングした組織は生食内へ入れた後、ホモジネーターを使用してすりつぶし、肺組織中の細菌濃度を確認した。 【研究成果】 チェッカーボード法の結果、当院で分離された多剤耐性緑膿菌に対して、コリスチン(CL)とアズトレオナム(AZT)の併用療法がin vitro試験で高い抗菌効果を示した。本研究に用いた多剤耐性緑膿菌のCLとAZTに対するMICは1、>256μg/mLであった。臨床の薬物動態試験でCL(5mg/kg/12h)とAZT (2g/8h)の血中濃度をシミュレートした薬剤投与(注射)をマウスに行い、その抗菌効果を確認したところ、併用療法ではCLとAZTの単剤療法よりも優位に菌量(log CFU_<24>)の低下を認めた(-3.36±0.0.86、-0.75±0.27、-0.06±0.35 ; p<0.01)。また、CLの吸入療法を用いて抗菌効果の変化を検討したが、CLとAZTとの併用療法の抗菌効果に大きな抗菌活性の改善は認められなかった。 【意義・重要性】 多剤耐性緑膿菌に対する抗菌薬の至適投与方法の探索は急務であり、本研究の結果は、高容量のCLとAZTの併用療法(注射)が多剤耐性緑膿菌に対して有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)