2015 Fiscal Year Annual Research Report
急性期重症患者への投与を想定したメトロニダゾール静注液の配合変化についての検討
Project/Area Number |
15H00568
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山田 直香 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | メトロニダゾール静注液 / 配合変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 メトロニダゾール(MNZ)はBacteroides. sppを初めとする嫌気性菌に優れた抗菌活性を示し、組織移行性に優れるため腹腔内感染症のみならず膿瘍を形成する感染症への治療薬として位置づけられている。急性期にはしばしば限られたルートでの使用をせざるを負えないことから、配合試験のデータは医療安全上も重要と考えられる。本研究ではMNZ静注液の配合変化(pH, 外観変化)および残存率について調べることを目的とした。 【方法】 下記の薬剤を対象として配合直後から6時間まで常温でのMNZ静注液との配合変化(pH, 外観変化)を調べた。麻酔薬(ドルミカム注射液10mg、プレセデックス静注液200μg「マルイシ」、2%プロポフォール注「マルイシ」)、循環器用剤(ノルドアドリナリン注1mg、ハンプ注射用1000)、抗凝固薬(レミナロン注射用100mg)高カロリー輸液(エルネオパ2号輸液、パレプラス輸液、ビーフリード輸液)、脂肪乳剤(イントラリポス輸液20%)、各濃度糖液(10%糖液、20%糖液、50%糖液)、その他(シベレスタットNa点滴静注用100mg「ファイザー」) 【成果】 いずれの薬剤において混合後6時間までに変色、析出は認められなかった。脂肪乳剤であるイントラリポス輸液と乳濁製剤であるプロポフォールについては製剤自体が白濁しているが、凝集や変色は認められなかった。pHについても混合後のpHは(4.5~7.0)の範囲であった。この結果より上記の薬剤とMNZ静注液をやむをえず同じルートから投与する場合にもルート内での析出が起きることは避けられると考えられる。混合後の残存率については、現在HPLC法を用いた測定方法を検討中である。
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