2015 Fiscal Year Annual Research Report
EOSIN蛍光3D血管造影からの透過型電子顕微鏡組織観察法の検討
Project/Area Number |
15H00591
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
首藤 政親 愛媛大学, 学術支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | EOSIN蛍光 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】血管内腔蛍光3Dでの微細形態取得により血管変性部位を特定し、透過型電子顕微鏡レベルでの微細形態変化を捉える方法を確立することで血管障害疾病の治療の基礎研究に貢献する。 【研究方法】 6~10週齢のマウスを使用し、血管の状況を観察する。具体的な流れは、還流固定→EOSIN1%+蛍光ビーズ0.5μm10%溶液を流し込み血管内の鋳型生成→1mm厚切片の組織作成→マイクロスライサーでの50μm厚切片作成→核染色→封入→レーザー顕微鏡→電子顕微鏡試料作製・撮影となる。検討項目は、還流固定を行う部位の限定、溶液の配合具合、緩衝液の濃度・温度、浸透時間、スライサーの厚み等多岐に渡る。 【研究結果・考察】 海馬を中心に確認。血管膜が強く染まることにより、EOSINと蛍光ビーズで微小血管の識別が可能となり、電子顕微鏡での微細構造を捉えることにほぼ成功した。成功に寄与した点は以下の通り。 ①還流固定は、マウス頭部を上下から使い捨てカイロ(45℃)で挟むことで、ゼラチンの流れが促され、1/2Karnovsky固定液をペリスタポンプで2~6ml/minにて還流させることができた。 ②EOSIN+蛍光ビーズを溶かす液は、試料を損傷させることがほとんどなく、血管細部まで行き渡り、50μm厚切片までの薄切が可能であることが求められる。これに関しては、ゼラチン・アガーで検討した結果、表皮性ゼラチン13~15%+AgaroseS 0.2%in緩衝液が優れていることが分かった。 ③磨いた24G注射針を左心室から気管横の総頸動脈まで差し込み外頚動脈を縫合糸で縛ることでマウスの脳以外への溶液の流失を防ぎ、還流固定を行う部位を特定した。これにより、低温でのゼラチン流入が容易になった。 尚, EOSIN蛍光色素(EX270~518nm・EMピーク536nm)は、2~3日経過すると血管周辺に漏洩してしまうが、緑色蛍光成分は血管内にとどまっていた。緑色・赤色蛍光を重ね、血管内・血管上皮と識別可能な状態にすれば固定液で1カ月以上放置した試料でも血管内EOSINが認識可能となった。今後の課題としては, 電顕確認時のゼラチン収縮による組織亀裂があげられる。
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Research Products
(2 results)