2015 Fiscal Year Annual Research Report
多項目自動血球分析装置による造血前駆細胞(HPC)モードの臨床的有用性の検討
Project/Area Number |
15H00616
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
児玉 るみ 島根大学, 医学部, 臨床検査技師
|
Project Period (FY) |
2015
|
Keywords | HPC / 末梢血造血幹細胞 / CD34陽性細胞数 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 多項目自動血球分類装置XN-9000(シスメックス)から得られる造血前駆細胞を反映するとされるパラメーターであるHematopoietic progenitor cell (HPC)の基礎性能検討とHPCが現在造血幹細胞の指標としてフローサイトメーターを使用して測定されているCD34陽性細胞のサロゲートマーカーとなりうるかを検討した。 【研究方法】 CMLの末梢血とG-CSFによる自己末梢血幹細胞動員処置を施行された11疾患33件の採取直前の末梢血および採取液を対象とし、HPCの基礎的検討(同時再現性、経時変化、希釈直線性)、CD34陽性細胞数との相関性、移植に必要とされるCD34陽性細胞数(2×10^6/kg)採取に必要な採取直前の末梢血中のHPCの閾値について検討した。 【研究成果】 同時再現性は末梢血で8.2~25.3%、採取液で5.1~9.5%であった。末梢血低濃度域(5.0μL)でCVが10%を超えたがSDは1.26であり良好な結果が得られた。経時変化については試料採取後3時間まで安定性が保たれていた。また、260×10^2/μLまで直線性が認められ、低濃度域での直線性についても良好な結果であった。CD34陽性細胞数との相関性については、末梢血y=0.94x+2.03 r=0.853 (p<0.001)、採取液y=0.77x-12.74 r=0.918 (p<0.001)と高い相関性を認めた。CD34陽性細胞を目標収量得るためのHPC数の閾値は21/μLであった。 【考察】 XN-9000でのHPC測定は臨床上十分な基本性能を有していると考えられた。また、CD34陽性細胞数との相関性も高く、自動化され簡便、安価で再現性にも優れていることから、CD34陽性細胞数の代用マーカーとなり得ると考えられた。
|