2015 Fiscal Year Annual Research Report
血液がんにおけるA・B抗原減弱とその他の血液型減弱との関連性の検証
Project/Area Number |
15H00619
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 英洋 金沢大学, 附属病院, 衛生検査技師
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | A・B抗原減弱 / 血液疾患 / Rh、Kidd血液型抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的>血液がんにおけるA・B抗原減弱とその他の血液型減弱との関連性を検証する。 <研究方法>A・B抗原減弱を認める血液がん患者を対象として、Rh系血液型とKidd血液型を対象としフローサイトメトリーを用いて発現率と蛍光強度の測定を行った。対象としてO型健常人を用いた。 <研究成果>初めに陽性対象の発現率と蛍光強度の測定を行った。被検血球はO型Rh(D)陽性を10例使用した。発現率の結果は平均でRh(C)抗原92%、Rh(c)抗原98%、Rh(E)抗原97%、Rh(e)抗原93%、Jk(a+)抗原84%、Jk(b+)抗原94%、Rh(D)抗原99%であった。蛍光強度(GMFI)の結果は平均でRh(C)抗原251、Rh(c)抗原613、Rh(E)抗原362、Rh(e)抗原143、Jk(a+)抗原52、Jk(b+)抗原87、Rh(D)抗原301であった。Rh(D)抗原を除き、抗原量に量的効果があるので陰性対照と比べ蛍光シフトが弱いものが存在し一部閾値として設定できないものが存在した。 過去にA・B抗原に減弱を認めた患者5例に対し、Rh(D)抗原を測定したところ、発現率99%と減弱を認める症例は存在しなかった。次にJk(a+)抗原とJk(b+)抗原について抗原を測定したところ抗原ヒストグラムパターンがキメラ像を呈した。原因として、輸血による抗原陰性血球が混和していることにより2峰性を示したことが考えられ、減弱との判別を困難にした。これまでの検討から輸血の影響が検査結果に大きく影響を与えるため、検査するタイミングが重要であると考えられた。
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