2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝ライブイメージングによる植物由来ポリフェノール薬物動態評価
Project/Area Number |
15H00662
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩竹 真弓 国立大学法人長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教務職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | ポリフェノール / ライブイメージング / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の骨粗鬆症治療薬は顎骨壊死などの副作用が強い。しかし、ポリフェノールには破骨細胞形成抑制効果を持ちながら、細胞毒性が低い物質が多く存在するため食品・治療薬として有用である。そこで本研究では、破骨細胞形成抑制効果のあるポリフェノール群を選出し、ライブイメージングによる薬効評価システムを新規に構築することを目的とした。 本研究ではマウスマクロファージ細胞株RAW-Dおよびマウス骨髄マクロファージにRANKL添加により破骨細胞を形成した。TRAP染色法およびピットアッセイ法による骨吸収能を評価し、代表的なポリフェノールについてスクリーニングを行った。その結果からエラジタンニン類が細胞培養系において低濃度の添加量でも強力な破骨細胞形成阻害効果を有することを独自で見出した。中でもカスタラジンとプニカラジンは強力に破骨細胞を抑制するが、細胞毒性は極めて低かった。 さらにウェスタンブロット法によって解析したところ、RANKL刺激によって誘導されるp38MAPK、IκB及びERKのリン酸化に関してどちらも顕著に抑制することが確認できた。プニカラジン、カスタラジンともに同様の抑制効果を示したが、低濃度における骨吸収やシグナル伝達経路においで、プニカラジン添加のほうがカスタラジン添加よりも比較的緩やかに抑制するため、強力な副作用を起こしにくいことが予想される。以上の結果からプニカラジンとカスタラジンは破骨細胞に直接作用し、破骨細胞形成を阻害することが明らかとなった。 したがって、エラジタンニン類には有意な破骨細胞分化形成の抑制効果があり、新しい骨疾患治療薬の開発に繋がることが期待される。 今後、骨粗鬆症モデルマウスを用いてエラジタンニン類の薬効評価を実施する。
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Research Products
(5 results)