2015 Fiscal Year Annual Research Report
ポリグラフ検査の新たな指標としての自発性瞬目の測定法と分析法の開発
Project/Area Number |
15H00670
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Research Institution | 兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
大塚 拓朗 兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所, 警察研究職員
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | ポリグラフ検査 / 自発性瞬目 / 隠匿情報検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリグラフ検査における自発性瞬目の適用可能性について検討した。自発性瞬目は無意識に行われる瞬目であり、注意など人の情報処理過程を反映するものとして注目されている。先行研究で自発性瞬目がポリグラフ検査の指標となり得る可能性が報告されたが、それらの研究は実務検査と異なる方法で実験が行われ、瞬目の測定法と解析法について十分な検討がされていない。そこで本研究では、実務場面と同じ方法で自発性瞬目が検査に有効な指標となるか検討した。研究は以下の手続きで行った。参加の同意が得られた実験参加者に模擬犯罪を行わせた後に自律神経系反応と自発性瞬目との同時計測によるポリグラフ検査を行った。実験では模擬犯罪で盗んできた品物を隠匿する群(N=17)と検査前に盗んできた品物を予め開示する群(N=17)を設けた。検査では盗んだ品物である裁決項目1つと盗まなかった品物である非裁決項目4つからなる隠匿情報検査を行った。各項目は実務検査に準じ20秒から30秒間隔で呈示順序を変えて5回ずつ5秒間、視覚呈示した。自発性瞬目は自律神経系反応と同じくポリグラフ装置を用い、EOG(electrooculogram)法で測定した。分析は先行研究で報告された瞬目回数のみならず刺激呈示後の初発潜時を算出し、群と項目の要因を分散分析により検討した。また、自発性瞬目の時間的特徴を明らかにするため瞬目時間分布を算出した。その結果、群の要因に関わらず、瞬目回数は非裁決項目呈示時より裁決項目呈示時に低下し、初発潜時は裁決項目呈示時により長くなった。以上のことより、自発性瞬目の瞬目回数及び刺激呈示後の初発潜時ともに検査対象者が呈示された項目に対して記憶を有している時に弁別的な反応を示し、新たな検査指標として有効であることが示された。自律神経系反応と異なる生理的機序を持つ自発性瞬目はポリグラフ検査の高度化に寄与するものと期待される。
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Research Products
(1 results)