2015 Fiscal Year Annual Research Report
全人工膝関節置換術後患者における歩行時膝周囲筋活動の解析
Project/Area Number |
15H00693
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
瀬戸川 啓 兵庫医科大学, リハビリテーション部, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 人工膝関節全置換術 / 歩行 / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】膝OA患者の筋活動の特徴として歩行立脚相全般にわたって拮抗筋同士の同時収縮を強化、持続することが知られている。しかし、このような膝OAにおける健常人とは異なった筋活動パターンが、TKAを施行し関節不安定性や疼痛が改善された後にも持続するかについては不明な点も多い。そこで本研究では、TKA術後患者の歩行時筋活動および同時収縮などについて健常膝およびOA膝と比較して解析を行った。 【研究方法】対象は、すでに片側TKAを受けた患者で、かつ反対側のTKA目的に入院した膝OA患者8名(71±10歳)とした。TKAをすでに行われた膝(TKA膝)およびTKA術前膝(OA膝)に対して、平地歩行における膝関節伸展筋(内側広筋および外側広筋)、屈曲筋(半腱様筋および大腿二頭筋)の筋活動を測定した。得られたデータは立脚相で100%に正規化し、減速期50%、推進期50%に分割した。さらに、膝関節伸展筋と屈曲筋の同時収縮co-contraction-index (CCI)を内側および外側について算出した。健常成人6名(24±1歳)12膝についても同様の測定を行った。OA膝およびTKA膝について各時期の平均筋活動と平均CCIを一元配置分散分析後、Tukeyの多重比較法を用いて比較した。また、OA膝、TKA膝の荷重下X線像における大腿脛骨角、膝伸展および屈曲筋力(Nm/kg)を対応のあるt検定を用いて比較した。 【研究成果】TKA膝では、有意に内反大腿脛骨角の減少を確認できた。TKA膝では、OA膝と同様に、減速期にすべての筋活動と内外側CCIで有意に高値を示し、推進期に半腱様筋活動と内側CCIで有意に高値を示した。TKA膝およびOA膝において膝伸展および屈曲筋力ともに有意差を認めなかった。 TKA膝では、術前の異常筋活動が持続している可能性があり、膝の機能回復に影響している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)