2015 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸筋トレーニングが超音波画像により測定した横隔膜筋厚に及ぼす影響
Project/Area Number |
15H00694
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
曽田 武史 鳥取大学, 医学部附属病病院リハビリテーション部, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 横隔膜 / 呼吸筋トレーニング / 超音波画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】超音波画像診断装置は、触知困難な深部にある骨格筋の収縮一弛緩の動きを捉えることができ、理学療法分野でも普及してきている。これまで、主要な吸気筋である横隔膜の超音波画像に関する研究が行われてきているが、その特性については未だ不明な点が多い。本研究では呼吸筋トレーニングの効果判定に関する従来の指標と超音波画像評価による指標との違いについて、また呼吸筋トレーニングの違いがそれらの指標に及ぼす影響について検討した。 【方法】若年健常女性28名(平均年齢22.1±4.3歳)を対象とし、吸気筋トレーニング群(IMT, n=13)、呼気筋トレーニング群(EMT, n=15)の2群に振り分けた。測定項目は、肺活量(VC)、1秒量(FEV1.0)、1秒率(FEV1.0%)、最大呼気筋力(MEP)および最大吸気筋力(MIP)、横隔膜の横隔膜筋厚(DT)とした。DTの測定は、残気量位(DTRVC)、機能的残気量位(DTFRC)、全肺気量位(DTTLC)の各肺気量位で測定した。さらに、FRCとTLCから横隔膜変化率(DTTR ; (TLC-FRC)/FRC)を算出した。測定時期はbaseline、4週間後、8週間後とし、baselineから4週間の間は未介入であり、4週間から8週間の間で呼吸筋トレーニングを実施させた。呼吸筋トレーニングは、Threshold IMTまたはThresholdPEP(ともにPhilips社)を用い、IMT群はMIPの40%、EMT群はMEPの40%の負荷量に設定し、1日30分間、毎日するよう指導した。 【結果】IMT群のVC、EFV1.0は呼吸筋トレーニング後に変化を認めなかったが、MET群では有意に増加した。FEV1.0%は両群ともに変化を認めなかった。MEP、MIPは両群ともに増加した。一方、DTRVC、DTFRC、DTTLC、DTにおいては、両群ともに呼吸筋トレーニング後も有意な変化を認めなかった。 【結語】短期間の呼吸筋トレーニングによる横隔膜筋厚の変化は呼吸筋力に比べて乏しいことが示唆された。呼吸筋トレーニングの違いが横隔膜筋厚に及ぼす影響については、本研究では明確にできず、今後、長期的な呼吸筋トレーニング期間を設定し検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)