2015 Fiscal Year Annual Research Report
生物の進化速度の環境適応性に基づく大規模複雑情報ネットワークの設計制御手法
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15H01682
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 正幸 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80200301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小南 大智 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 助教 (00709678)
荒川 伸一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20324741)
津留 三良 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80594506)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 情報ネットワーク / ネットワークアーキテクチャ / 仮想ネットワーク / 進化適応機構 / 突然変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず物理NW基盤を既知とし、その上の仮想NW構成手法に取り組んだ。環境情報として、時間オーダーのトラヒック需要を取得可能であるものとし、その情報にもとづいて環境適応度が高い固体を仮想NW候補群として準備する手法を考案し、計算機シミュレーションにより解発見までの時間が短縮されることを示した。 また、光通信基盤を対象としてこれまで検討を進めてきた制御機構であるゆらぎ制御を発展させ、近年マーケットへの導入が進められているSDI環境に適用した。すなわち、SDI環境において、ユーザの需要に応じて仮想ネットワークと物理的なリソースの割り当てを制御する、ゆらぎ制御にもとづく仮想NW制御手法を考案した。計算機シミュレーションによる評価により、提案手法における仮想ネットワークの移行回数が、既存の発見的手法と比較して、約45%削減されることが明らかとなった。 次に、課題2において、代表的なモデル単細胞生物である大腸菌を用いて、DNA変異修復遺伝子が欠損した複数の変異体を作製した。DNAの変異修復に携わる遺伝子は複数あり、その役割も多様かつ重複している場合があるため、様々な遺伝子欠損を組み合わせた変異体ライブラリーをいったん作製し、その中から目的に合致した高変異性大腸菌をスクリーニングした。その結果、修復遺伝子に不足のない野生株に比べ10~1000倍の高い変異率を示す高変異性大腸菌を作製することに成功した。作製した変異体は、今後、持続的な進化が生じる検証実験の材料として用いる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度中に予定していた要素技術の検討と評価を終えており、順調に進捗している。ただし課題1の評価の一部は、計算機シミュレーション環境が整っている光通信基盤を対象としたものとなっており、今後は一般の通信ネットワークを対象とした評価に取り組む。
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Strategy for Future Research Activity |
生物学実験による知見が得られつつある。引き続き研究者間の連絡・打ち合わせを密にし、相互の成果の理解と応用の議論を深める。
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Research Products
(6 results)