2015 Fiscal Year Annual Research Report
深層学習を用いたロボットの動作プリミティブの獲得と行動生成
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15H01710
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
尾形 哲也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00318768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有江 浩明 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (20424814)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス / 機械学習 / マルチモーダルシステム / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,人間型ロボットによる多様な卓上タスクを行うことを目的として,特にディープラーニングを利用した知能ロボットの行動学習手法を提案している. 申請者らは本課題遂行にあたり,これまでにディープラーニングによる視聴覚と運動の統合モデルを提案しており,小型ロボットNAOにて検証実験を行っているが実際の作業には応用されていない.また従来研究として,S.Levineらは,PR-2を用いた複数物体操作の学習をディープラーニングによって実現している(S. Levine 2015)が,その内容は画像と運動のマッピングであり,物体の把持など画像が大きく変化しない動作は学習できない. そこで本年度は,ミュンヘン工科大学Gordon Chang教授の協力を得て,ロボットPR-2による柔軟物体(タオル)の把持及び折りたたみ動作学習を試みた.具体的には,PR-2のアームとハンドを人間が直接操作するダイレクトティーチングの手法により,卓上の複数位置でタオルの把持と折りたたみ動作データを取得する.この際,頭部カメラから取得される映像,及びアームとハンドの動作情報を時系列情報として,提案するマルチモーダル型のTime Delay Deep Autoencoderに学習させる.この手法を用いることで,ロボットは,次の姿勢や物体状態(映像)予測しながら,運動を生成することが可能となる.本手法は,上記のNAO用のディープラーニングモデルを転用しており,ロボット,タスクの大幅な変更があったにもかかわらず,その実装は教師データの取得も含めて,二ヶ月弱という極めて短期間で行うことができた. 学習後,未学習のタオル位置に対して,概ね1cm以内の位置誤差でオンラインの動作生成(及び映像予測)が可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予算の限界から,計画書で示してたロボットシステムNextage-Openの購入は断念したが,ミュンヘン工科大学の協力による,PR-2の使用,さらに早稲田大学リーディング大学の協力によってNextage-Oneを一時的に利用することができ,研究のための準備は進んでいる. 具体的にはPR-2による柔軟物ハンドリングタスクの実現と評価を行うことができた点,またROS, RT-Middlewareの利用によって,Nextage-One,Oculus,3Dマウスなどを統合した,Woz法による動作教示システムをほぼ完成させた.また多様な物体操作を実現するためのハンドシステムについても,3Dプリンタの活用などにより複数のプロトタイプを作成し評価を行っている.具体的には,R.JosephらのBaxterとディープラーニングを用いた物体把持の研究の再現をNextage-Oneと開発したハンドにて行い,様々な条件下で性能を比較評価している. このように計画書で予定していたH28年度からの,Wozによる動作学習データ収集や,Recurrent Neural Netなどの新しい神経回路モデルを導入するための準備は整ったと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度までに,提案システムの評価実験をPR-2及びNextageで行った.また関節トルクを計測でき,動作の教示データが容易に作成可能な専用のロボットプラットフォームの導入を行った.今後は引き続き,各箇所との共同研究の過程で,様々なロボットへの学習モデルの導入を進め,モデルの拡張を図る. 特に多様な卓上タスクを行う上では,物体へのなぞりなどの動作を許容する,柔軟なハンドが重要となる.これまでに様々なロボットハンドを検討してきているが,十分な性能を得られるものがなく,3Dプリンタ等で自主的な開発を行っているのが現状である.しかしディープラーニングでは,可能な限り多くの学習データを得ることが必要不可欠であり,信頼性の高いロボットハンドを導入することが非常に重要になると考えられる.現状では,ROS, RT-Middlewareなどから提供されるシミュレーション環境を利用した,大体の事前学習(プレトレイニング)などの方法論を視野に入れ,これらの問題に対処していく予定である.
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Research Products
(21 results)