2015 Fiscal Year Annual Research Report
海洋環境・生態系を理解するための重金属安定同位体海洋化学の育成
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15H01727
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗林 由樹 京都大学, 化学研究所, 教授 (50197000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10251612)
谷水 雅治 関西学院大学, 理工学部, 教授 (20373459)
村山 雅史 高知大学, 自然科学系, 教授 (50261350)
宗林 留美 (福田留美) 静岡大学, 理学部, 准教授 (00343195)
申 基チョル 総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (50569283)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海洋科学 / 地球化学 / 環境分析 / 生物圏現象 / 環境変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)海水中Ni, Cu, Znの安定同位体比精密測定法の開発.エチレンジアミン三酢酸基をもつキレート樹脂NOBIAS Chelate PA-1を用いて海水数100 mL~2 Lから3元素を濃縮し,陰イオン交換樹脂AG MP-1Mを用いて3元素を相互分離する方法を開発した.ブランク値を十分に低く抑え,共存元素を効果的に除去し,3元素を定量的に濃縮分離することに成功した.マルチコレクター型ICP質量分析装置(MC-ICP-MS)の測定条件を最適化した.北太平洋における3元素の濃度・同位体比の鉛直分布を得ることができた. (2)自動濃縮装置の改良.海水中微量元素の濃度測定のために開発した自動濃縮装置を改良し,同位体比測定のための前処理にも適用できるようにした.大量の海水試料を処理できるようにペリスタルティックポンプを搭載し,共存元素の除去のため流路とプログラムを改良した. (3)海水中微量元素の濃度分布の解明.同位体比データとあわせて議論するために,太平洋における海水中Al, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Pbの濃度分布の測定を進めた.白鳳丸KH-15-3航海に参加し,太平洋,東シナ海の海水試料を採取した. (4)堆積物中Mo, W安定同位体比精密測定法の開発.堆積物試料の分解,NOBIAS Chelate PA-1と陰イオン交換樹脂AG1-X8を用いる化学分離,蒸発乾固・再溶解,MC-ICP-MS測定条件などの検討を進めた. (5)その他に,海洋生物の食物連鎖がFe安定同位体比におよぼす影響を調べた.マンガン団塊など固体試料のNi安定同位体比精密測定法の開発を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね計画どおりに進展し,多数の学会発表を行った.完成まで至った項目はまだなく,論文発表は今後の課題である.
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Strategy for Future Research Activity |
最大の問題は京都大学からMC-ICP-MSがなくなったことであるが,東京大学,総合地球環境学研究所,海洋研究開発機構などの共同利用装置を活用して研究を進める. 完成した項目について論文の執筆を進める. 植物プランクトンによる同位体比分別を調べるため,植物プランクトンの微量金属分析とクリーン培養において世界トップレベルの実績を持つ台湾中央研究院Tung-Yuan Hoとの共同研究を進める.
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] ファンデフカ海嶺における海水中微量金属9元素(Al, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb )の分布およびストイキオメトリー2016
Author(s)
鄭臨潔, 南知晴, 高野祥太朗, 南秀樹, 宗林由樹
Organizer
東京大学大気海洋研究所共同利用研究集会「GEOTRACES計画エンジン全開:太平洋・インド洋における微量元素・同位体の生物地球化学研究の進展」
Place of Presentation
東京大学大気海洋研究所
Year and Date
2016-03-28
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[Presentation] The Distribution of Bioactive Trace Elements (Al, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, and Pb) over the Juan de Fuca Ridge2015
Author(s)
Zheng, L., T. Minami, S. Takano, and Y. Sohrin
Organizer
Goldschmidt2015
Place of Presentation
Prague, Czech Republic
Year and Date
2015-08-17
Int'l Joint Research
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