2015 Fiscal Year Annual Research Report
人が生育する限界的環境に於ける発育発達(生活技術の発達を含む)と成熟の総合的研究
Project/Area Number |
15H01763
|
Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 所長 (50114046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二文字屋 脩 京都文教大学, 公私立大学の部局等, 教務補佐 (50760857)
中西 純 国際武道大学, 体育学部, 教授 (30255179)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 狩猟採集民 / 身体発育 / 身体発達 / 生活技術 / 限界的環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は以下のA~Gに関する生育環境と発育発達に関する総合的評価を行う。 A.アンダマン海を漂海し原始的生活をするモーケン、B.20年前に移動・狩猟採集生活から定住生活に移行したタイのムラブリ、C.17世紀にチベットからネパールに移住した牧畜・農耕民ボーティア、D.ヒマラヤ高地のシェルパ、E.外部世界から離れたミャンマー・カヤー州山地のパダウン(カヤン)、F.都市的世界における特殊環境の上座仏教の少年僧、G.文明化され情報化が進んだ世界の日本、ミャンマー、タイなどの都市人。調査項目は、生育環境、形態発育、機能発達項目、基礎運動能力、性成熟項目。 本年度は6~7月:詳細な研究年間計画を作成。調査マニュアル、調査票の準備。Aモーケン、Bムラブリ、Eパダウン(カヤン)、F少年僧の各研究班は既存データの確認と渡航準備。8~9月:Bムラブリ研究班は現地協力者の研修と第1回調査を実施(タイ、ナーン県)。収集データを整理、確認し、入力を開始。F少年僧の研究班は現地協力者の研修を実施(ミャンマー、モン州)。10月:8~9月にかけて実施したBムラブリ第1回調査の検討会を行い、修正点をあげ次回調査に備えた。11月:Bムラブリの研究班は第2回調査。一部の収集データの解析で調査の方向を確認した。12~1月:Aモーケン(ミャンマー、タニンダーリー管区)、Eパダウン(カヤン)(ミャンマー、カヤー州)の集中調査を実施。2~3月:Aモーケン、Eパダウン(カヤン)は補充調査。3月には初年度を総括する検討会を行い次年度調査計画を立案した。経理関係書類を整理し、日本発育発達学会にて研究成果の報告をした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイ、ミャンマーにおける研究対象については順調に進展しているが、ネパールにおける研究対象(ボーティア族、シェルパ族)の調査の一部については次のような理由から、平成28年度に実施することとなった。 (理由)ネパールにおいて2016年4月下旬にカトマンズを含む広範囲の地域で発生した大地震とその余震の甚大な影響により現地活動が妨げられた。現地協力者らとは連絡すら取れない事情が発生し、調査が大幅に遅れた(復興現場に研究者が入り、調査、研究をする状況ではなかった)。
|
Strategy for Future Research Activity |
ネパールにおいて2016年4月下旬にカトマンズを含む広範囲の地域で発生した大地震とその余震の甚大な影響により現地活動が妨げられた。現地協力者らとは連絡すら取れない事情が発生し、調査が大幅に遅れた(復興現場に研究者が入り、調査、研究をする状況ではなかった)。こうした理由から、平成27年度計画していたネパールでのボーティア族の調査準備、シェルパ族の大規模調査を本年度に実施する予定である。
|
Research Products
(7 results)