2015 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of textiles using interaction design and fMRI
Project/Area Number |
15H01764
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
鋤柄 佐千子 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (30216303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 敦士 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (10210626)
山本 洋紀 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (10332727)
山城 博幸 藍野大学, 公私立大学の部局等, 助教 (60582038)
康 健 京都工芸繊維大学, 繊維科学センター, 研究員 (60748268)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | テキスタイル評価 / 心理計測 / 感性情報学 |
Outline of Annual Research Achievements |
テキスタイルの物性評価、官能評価と人が布を評価した時に発現する脳活動を関係づけながら一つの指標を構築するために、4つのアプローチを行った。 1)触感:天然繊維の触感は水分率に影響されることが知られている。綿の高島ちぢみを用いて、布の評価システムであるKES-FBシステム,それに試験片周囲の環境湿度を変化させるアタッチメント式の湿度コントロールシステムを併用し、伸長特性の変化を詳細に調べた。その結果、相対湿度70%RH付近で伸び特性が急激に変化することが分かった。(論文発表済み)2)触った時の熱移動も重要であることから、熱伝導率の測定とテキスタイル内の熱移動をシミュレーションするための2次元モデルを構築した。布の構造は平織りとし、繊維の熱伝導率の高い高密度ポリエチレンフィラメント糸、綿糸、羊毛糸からなる布を想定した。実際、これらの糸から研究室で布試料を作成した。3)官能検査は、見る距離を変化させた時の綿織物の印象評価を素材、色など様々な布を用いた場合と、ベースの色を黒に統一した布について、球に布をかけた状態で行った。その一部を国際会議で発表した.また、官能検査を進める中で、触感も加えることにした。 4)ヒトは、布の触覚的な質感を見るだけで感じ取ることができる。これには感覚モダリティーに依存しない質感の神経表象が関与していると考えられる。この仮説を検証するため脳イメージング実験を行った。布の硬さを触って判断しているときと、映像を見て判断しているときの脳活動を測定した。同じ硬さの布を触っているときと見ているときで、類似した脳活動パターンが左腹側頭頂間野で見られた。これらの活動は視覚・触覚共通の質感表象に関与していると考えられる。この成果をまとめ、北米神経科学学会にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
綿の高島ちぢみを用いた実験が順調に進み、新しいテキスタイルの提案ができた。また、布の異方性を考慮したシミュレーションモデルも2次元でほぼシミュレーションができるところまできた。ただ、冷温感の官能評価実験に供する試料の選定に必要な官能検査が遅れたため、脳イメージング実験がやや遅れ気味であるが、研究初年度としては、おおむね順調に進んでいると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
官能評価実験は視感評価を中心に行い、布を見る距離を変えた時の印象の違いや見え方の違いを行ってきた。しかし、その中で、やはり触感の要素も必要なことがわかった。触感に関する評価は、主に布の評価システムを使用した物理測定のみで予測する計画であったが、今後は人が触る動作も加味した官能検査や、熱移動測定の物性試験も視野に入れて研究を進める。
|
Research Products
(9 results)