2018 Fiscal Year Annual Research Report
Museology for MuseumNetworking
Project/Area Number |
15H01780
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
須藤 健一 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10110082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 憲司 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 館長 (10192808)
野林 厚志 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (10290925)
久保 正敏 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (20026355)
園田 直子 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (50236155)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (60214772)
亀井 哲也 中京大学, 現代社会学部, 教授 (60468238)
佐々木 史郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 国立アイヌ民族博物館設立準備室, 部長 (70178648)
阿部 健一 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 教授 (80222644)
林 勲男 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (80270495)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 博物館学 / ネットワーク / コミュニティ / 共創 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.博物館のネットワーク化と共同研究 研究代表者の須藤健一はグアム博物館とネットワークの構築に向けて協議を行い、ミクロネシア連邦では資料館の建設計画の評価を実施した。研究分担者の吉田憲司は、国立民族学博物館(民博)と学術協定を締結している国立台湾歴史博物館において、歴史記録の共同利用について具体的計画の立案を行った。亀井哲也は南アフリカ共和国の野外博物館コドゥワナ文化村で博物館ネットワークを用いた共同調査を実施したほか、スウェーデンのヨーテボリにて開催のオリンピック・ミュージアム・ネットワーク総会に出席し、世界各地の関係博物館との連携体制を構築した。野林厚志は国立台湾歴史博物館において国際連携展示「南方共筆―継承される台湾風土描写」を企画し、2018年10月から19年4月にかけて開催した。園田直子はトリノで開催された国際文化財保存学会にて研究発表を行うとともに、他の参加者との間でのネットワーク形成を図った。林勲男はサモア国立博物館にて、民博が国際協力機構と共同で実施している博物館学研修への過去の参加者たちを交えて、すでに構築された博物館ネットワークについて検証と評価を実施した。 2.ソースコミュニティとのネットワーク化と共同研究 研究分担者の岸上伸啓はカナダのロイヤル・ブリティッシュ・コロンビア博物館、キャンベルリバー博物館、米国マカー博物館等を訪れ、先住民文化の展示に向けた博物館連携を進めるとともに、関係資料の共同調査を実施した。阿部健一は、東ティモールで国立博物館設置構想について調査し、消失の危機にある言語や儀礼・歌などの無形文化遺産の記録保存にむけた博物館ネットワークの重要性を把握した。 3.情報共有システムの開発 研究分担者の久保正敏は、博物館所蔵資料の連携検索を実現するため、資料の階層構造を関係付けた簡易なデータベースをパソコン上で試作し、検証を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の博物館やソースコミュニティとのネットワーク化は着実に進んでおり、博物館所蔵資料の連携検索システム開発も順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる2019年度は、まず、研究代表者の須藤健一がオセアニア島嶼部の拠点博物館とコミュニティ博物館に赴き、資料情報の共有化について協議をおこない、最終的なネットワーク体制を構築する。研究プロジェクト全体としては、9月に開催される国際博物館会議(ICOM )京都大会において、これまで構築した博物館ネットワークを基礎に、海外からの参加者と本科研プロジェクトの研究代表者・研究分担者による研究交流・国際シンポジウムを実施する。 民博は、過去25年間にわたり、国際協力機構(JICA)と共同で、開発途上国の博物館の人材育成を目的とした博物館学研修を毎年実施してきた。今年度は、京都で開催されるICOM大会に過去の研修員4名を招聘し、他の海外からの参加者も併せて、本プロジェクトの研究代表者・分担者とともに、"Museum and Community Development"と題するシンポジウムを開催し、コミュニティ開発に向けた博物館の役割と可能性、課題について検討する。また、同会議開催期間中に民博を会場に、海外からの参加者も交えて、ネットワーク型博物館学構築に向けた総括討論を実施し、本プロジェクトの研究成果の集約を図る。その後、得られた成果の公刊に向けた作業を進める。
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Research Products
(41 results)