2015 Fiscal Year Annual Research Report
ワーク・ライフ・バランスの向上を通じた労働者・夫婦・親子の健康支援に関する研究
Project/Area Number |
15H01832
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島津 明人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80318724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 憲人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90177650)
岩田 昇 広島国際大学, 心理科学部, 教授 (80203389)
藤原 武男 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 部長 (80510213)
高橋 美保 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (10549281)
渡井 いずみ 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (20509830)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 健康 / 無作為化比較試験 / 夫婦 / 親子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,乳幼児期の子ども(0~6歳児)を持つ共働き夫婦を対象として,ワーク・ライフ・バランスに注目した健康支援プログラムを新たに開発し,その有効性を大規模な無作為化比較試験によって評価することである。初年度にあたる平成27年度では,以下の成果を得ることができた。 1. 企業の人事担当者,ワーク・ライフ・バランス担当者,当事者(乳幼児を持つ共働きの労働者)などを対象としたヒヤリングやインターネット調査,先行研究のレビューを行い,プログラム内容や提供形式,対象者設定に関する情報を収集した。 2. 研究に協力いただく事業所への依頼を行い,2つの事業所(医療機関,製造業)から前後比較試験によるパイロット研究への協力表明を得ることができた。 3. パイロット研究で提供するプログラムの構成案が作成された。プログラムの実施については,知識だけでなく動機づけの向上,参加者相互の交流促進による行動変容などを考慮し,集合形式を基本にした。プログラムの内容については,参加者の多様なニーズに対応させるため,毎回異なるテーマを提供すること,参加者の負担を考え6回を標準とすることにした。報告書作成現在,分担研究者および連携研究者よりコンテンツ(案)が作成されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始当初は,事業所を拠点にプログラム参加者を募集することを想定していた。しかし,(1)協力いただける事業所が予想以上に少なかったこと,(2)1つの事業所においてプログラムの参加対象となる従業員(未就学児を持ちながら夫婦ともに働いている従業員)の数が予想以上に少なかったこと,(3)事業所の中でプログラムを実施する場合の時間を確保することが難しかったこと(月1~2回,1回あたり60分が限度)などにより,事業所を拠点としないプログラムの実施方法を検討する必要が出てきた。 そのため,地域(保健所や子育て支援センターなど)を拠点として参加者を募集する方式や調査会社のモニターを対象に参加者を募集する方式など,様々な募集方式の可能性を検討するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では,TWIN study I/IIで得られた知見,系統的文献レビュー,平成27年度に得られたニーズ調査やヒヤリングの結果をもとに,研修プログラムを完成させる。 提供形式としては,知識だけでなく動機づけの向上,参加者相互の交流を促すことで行動変容を促しやすくすることを考慮し,集合形式を基本にする。プログラムの内容は,セルフマネジメント,夫婦マネジメント,親子マネジメントの3要素を組み合わせた包括的なものとする。参加者の多様なニーズに対応させるため,毎回異なるテーマを提供する。参加者の負担を考え,6回を標準とする。つまり,1回の研修で1種類ずつ,合計6種類のプログラムを提供する。 平成28年度内にパイロット研究を2つの事業所で実施し,プログラム内容や形式について参加者の好みや反応を確認する。 本介入(無作為化比較試験)の参加者のリクルート方法も検討する。現在のところ,地域および保育所を拠点として,プログラム参加を希望する父親・母親を募集することを計画している。
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Research Products
(24 results)