2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the Neural Basis and Development of Social Behavior through the Analysis of Inter-subjectivity
Project/Area Number |
15H01846
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
定藤 規弘 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 教授 (00273003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安梅 勅江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20201907)
田邊 宏樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20414021)
板倉 昭二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50211735)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
飯高 哲也 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (70324366)
小坂 浩隆 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (70401966)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会能力 / 共同注意 / 機能的MRI / 自閉症 / 時系列解析 / 報酬系 / 心の理論 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1.二個体相互作用の神経ネットワークモデルと相互主体性を介した共有プロセスの解明】昨年度まで進めてきた、外部世界に対する注意の共有プロセスとしての共同注意の神経基盤解明を一歩すすめて、内的状態(好みや自己からの心理的距離)に関する共有プロセスの神経基盤を検討した。【2.社会能力の神経基盤解明】価値判断システムとしての情動は哺乳類に共通であり扁桃体が情報の重要性(relevance)判断に関係することが知られている。ヒトに特有の価値判断システムとしての感性の神経基盤を明らかにするため、言語と情動の相互作用としてのユーモアを取り上げた。その結果、ユーモア理解に扁桃体が関与することを明らかにした。【3.自閉スペクトラム症のneuroimaging研究】自閉症スペクトラムにおける自己意識の確立について機能的MRIを用いて検討した。【4.簡易計測による発達諸相および疾患におけるネットワーク評価】向社会行動の起源を探るために乳幼児における向社会行動の理解と実践を計測するための課題を作成して、実際の計測に入った。その結果9カ月時点でより長い視線追従を示した乳児は、18カ月時点でより多くの語彙を獲得しており、視線追従は、言語発達において重要な役割を果すことが明らかとなった。社会能力の様々な側面を国際的に比較可能な形で定量できる「かかわり指標」を用い、子どもの発達軌跡分析を行い、学童期および思春期の社会能力評価の妥当性が確認された。【5.安静時fMRIの技術的検討】安静時fMRIの解析手法について詳細な検討をおこない、脳全体の信号値を元データから除去する(global signal regression: GSR)方法を用いるか否かで、脳領域間の機能的結合性に大きな影響が出ることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「自他相同性に始まり向社会行動に至る社会能力の発達は、相互主体性を介した共有による学習過程である」との仮説を証明することを目的とする観点から、着実に実験が進行している。1.二個体相互作用の神経ネットワークモデルについては、共同作業課題を含む複数の機能的MRI実験が平行して走っている。2個体間のネットワーク評価方法としてのEigenvector centrality mappingについては、まず一個体レベルでの有用性を学習課題において検証し、引き続き2個体同時計測データへ適用するとともに、ICA analysisとの対比を行う。相互主体性を介した共有プロセスの解明に関して、アイコンタクトの即時性に関する神経基盤を明らかにする実験が複数進行中であり、さらに共同作業を課題とする2個体同時計測fMRI実験も進めている。7テスラMRIへのマルチバンド法導入は完了しており、既に機能的MRIを遂行している。2.社会能力の神経基盤についても複数の実験が進行している。3.強化学習システムとしての対面コミュニケーションの神経基盤解明については、他者との相互作用における自己効力感の効果を検証する実験が進行中である。4.簡易計測による発達諸相および疾患におけるネットワーク評価は、特に3.と関連して、ASD者を対象としたfMRI実験を積極的に展開する予定である。5.安静時fMRIの解析手法は、2個体同時計測データの解析に重要であり、引き続き技術的検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
脳機能計測は順調にデータを積み重ねており、特に超高磁場MRI(7T)との連携を強めていく方向で推進する。データ解析に於いても2個体を1つのネットワークとして解析する手法の準備が進みつつあり、実験データ取得と解析の両輪で推進する。この成果を、疾患診断ならびに行動発達計測へと結びつける方策を要する。精神疾患の病態生理モデルについて、精神科領域(小坂・飯高)ならびに認知発達科学領域(板倉)の専門家と密接に議論を積み重ね、神経基盤の明確な定量的行動指標の確立へと展開する。
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Research Products
(93 results)
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[Presentation] Why and how inter-individual neural synchronization occur by joint attention? Inter-individual neural network-level Hebbian learning account.2017
Author(s)
Koike T, Tanabe CH, Adachi-Abe S, Nakagawa E, Okazaki S, Sasaki TA, Shimada K, Sugawara KS, Takahashi KH, Yoshihara K, Sadato N
Organizer
Society for Neuroscience 2017
Int'l Joint Research
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[Presentation] Abstractness of value representation in orbitofrontal cortex.2017
Author(s)
Takaaki Yoshimoto, J.Chikazoe, S.Okazaki, S.Motofumi, H.K.Takahashi, E.Nakagawa, T.Koike, R.Kitada, S.Okamoto, M.Nakata, H.Kosaka, T.Yada, N.Sadato
Organizer
Society for Neuroscience 2017
Int'l Joint Research
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[Presentation] Abstractness of object representation in orbitofrontal cortex.2017
Author(s)
Takaaki Yoshimoto, J.Chikazoe, S.Okazaki, S.Motofumi, H.K.Takahashi, E.Nakagawa, T.Koike, R.Kitada, S.Okamoto, M.Nakata, H.Kosaka, T.Yada, N.Sadato
Organizer
生理学研究所研究会「脳の階層的理解を目指して」
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