2019 Fiscal Year Annual Research Report
批判的地域主義に向けた地域研究のダイアレクテイック
Project/Area Number |
15H01851
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小川 英文 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20214025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 稔 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10201948)
佐々木 孝弘 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10225873)
島田 志津夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (20624117)
吉田 ゆり子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50196888)
山内 由理子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (50626348)
菊池 陽子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60334447)
小田原 琳 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70466910)
米谷 匡史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80251312)
大川 正彦 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80323731)
李 孝徳 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90292721)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域研究 / レイシズム / 総力戦 / アジア太平洋戦争 / マイノリティ動員 / 社会的包摂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研プロジェクトは、東西冷戦構造の終結以後、一気に進んだグローバリゼーションのもと、国際関係、国民国家、地域の伝統、国史といった従来の学問的な枠組みに依拠しえなくなった諸地域に対する研究をどのように捉え直すのかという問題意識から諸地域の地域研究者たちが集って企画され、進められたものである。本年度はこれまでの欧米中心的な地域研究の枠組みを批判的に乗り越えるための「トランスパシフィック」という新しい研究観点を設定し、国際シンポジウム「日米帝国の総力戦・マイノリティ動員・レイシズムを相比する」を開催した。 シンポジウムで議論されたのは、日本と米国というその成立も発展過程もまるで異なる二つの帝国国家がアジアにおける覇権争いに鎬を削るなか、互いが互いの社会を人種差別的であると非難し合いながら、双方の国家が共振し、マイノリティに対する排除と包摂の様態に奇妙な相似化が起こり、しかも日本の敗戦後、東西冷戦下の日米関係は、戦後の米国における“モデル・マイノリティ”という日系アメリカ人の包摂の形態をそのまま反映する形になってしまったという事態の分析である。 本シンポジウムにおけるアジア太平洋戦争時における日米両帝国のマイノリティ動員の分析を通じて、これまで相比されることのなかった貫戦期における国際社会での立ち位置を意識した日米の総力戦体制が、実はいかに互恵的な関係にあり、相互の戦後政治をいかに規定したかを明らかにすることができた。このことによって、冷戦終結以後に露呈し、あらためて問われることになった20世紀という「過去」が、第二次世界大戦後の「アメリカの世紀」を招来した貫太平洋における日米の帝国戦争と、欧米では「終結」とされながら東アジアでは今なお続く冷戦とを抜きにしては対象化できないことを明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(30 results)
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[Book] 湊十分所史料集2020
Author(s)
菱田忠義・吉田ゆり子
Total Pages
1129
Publisher
東京外国語大学出版会
ISBN
978-4-904575-75-8
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