2017 Fiscal Year Annual Research Report
Transformation and Spiritual Violence
Project/Area Number |
15H01866
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
鎌田 東二 上智大学, グリーフケア研究所, 教授 (00233924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島薗 進 上智大学, 実践宗教学研究科, 教授 (20143620)
津城 寛文 筑波大学, 人文社会系, 教授 (30212054)
河合 俊雄 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (30234008)
永澤 哲 京都文教大学, 総合社会学部, 准教授 (40388210)
井上 ウィマラ 高野山大学, 文学部, 教授(移行) (40421292)
鶴岡 賀雄 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (60180056)
野村 理朗 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (60399011)
倉島 哲 関西学院大学, 社会学部, 教授 (70378884)
稲葉 俊郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80747832)
古谷 寛治 京都大学, 放射線生物研究センター, 講師 (90455204)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 身心変容技法 / ワザ / 負の感情処理 / 霊的暴力 / 霊的虐待 / 瞑想 / 神秘体験 / 身体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研研究プロジェクトは、「こころの荒廃」から抜け出るための手がかりを瞑想や修行や儀礼や芸能などの「身心変容技法」という宗教的リソースに求め、その意味・意義・機能・はたらき・諸相を明らかにしようとするものである。 2017年度は、9回の定例公開研究会(第56回身心変容技法研究会~第63回身心変容技法研究会)、2回のフィールドワーク(2017年5月の東北被災地追跡調査(第12回目目)と2018年2月の天河大辨財天社の鬼の宿・節分祭・立春祭調査)、多摩美術大学芸術人類学研究所との特別合同シンポジウム「大地の記憶を彫る」、毎月1度の定例分科研究8「世阿弥研究会」を行ない、その成果をHP:http://waza-sophia.la.coocan.jp/と、2018年3月発行の科研成果報告書『身心変容技法研究第7号』(全272頁)に掲載し、社会発信した。 そこで問いかけた諸問題は、①オウム真理教事件を事例とする霊的暴力や魔や悪魔の問題、②身心変容(技法)と芸術・芸能との関係、③身心変容(技法)の科学、④身心変容(技法)の哲学、⑤身心変容(技法)と教育、⑥身心変容(技法)と聖地ないし場所などなどの諸問題である。 こうして、「身心変容(transfomation of body & mind)」や「霊的暴力(spiritual violence)」や「霊的虐待(spiritual abuse)」の概念を明確にしつつ、その負の局面を分析・考察した。カトリックや禅や瞑想「悪魔」や「魔境」やバランスの崩れの問題を問いかけるとともに、縄文時代の身心変容や古代の洞窟(洞天)が果たした象徴機能や役割やそこにおける諸種の身体パフォーマンスについて考察の目を向け、理論的研究と事例的研究と認知神経科学的な実験的研究の突合せと整理を行ない、認知神経科学における「畏怖・恐れ」の問題の実験的研究に一歩踏み込んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、9回の定例公開研究会や多摩美術大学芸術人類学研究所との共催の特別合同シンポジウム「大地の記憶を彫る~スカンジナビア・アイルランドのロックカービングと身心変容」なども成果があったが、加えて、これまで『身心変容技法研究』第1号から第5号まで掲載してきた論文をもとに、『身心変容技法シリーズ第1巻 身心変容の科学~瞑想の科学』と『同2巻 身心変容のワザ』(ともにサンガ、2017年9月、2018年2月)を出版した点が、当初の計画以上の進展の成果である。両著とも、B5版二段組430頁を超える大著である。
|
Strategy for Future Research Activity |
「身心変容(transfomation of body & mind)」「霊的暴力(spiritual violence)」「霊的虐待(spiritual abuse)」の概念を明確にしつつ、さらに具体的に、その負の局面を分析・考察するとともに、身心変容問題の裾野を広く探っていく。特に、カトリックの典礼などの儀礼や物語や形態が持つ意味と力について、さまざまな角度から考察を加えてていく。 そして、最終年度の4年目となる2018年度の1年間の研究成果を本誌で総括し、国際シンポジウム「身心変容のワザと哲学」を11月30日から12月2日まで開催し、HPや研究年報で報告する。このように、今後一層継続的に理論的研究と事例的研究と実験的研究の突合せと整理を行ない、それをさらに継続書籍化していく。 こうした本研究会の研究活動の過程と内容は、随時「身心変容技法研究会」HP:http://waza-sophia.la.coocan.jp/と科研研究年報『身心変容技法研究第8号』に詳しく報告・公開・発表していく。
|
Research Products
(16 results)