2016 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける都城と葬地の政治的・社会的関連に関する比較史的総合研究
Project/Area Number |
15H01891
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
橋本 義則 山口大学, 人文学部, 教授 (60164802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 芳孝 金沢学院大学, 文学部, 特任教授 (10410367)
妹尾 達彦 中央大学, 文学部, 教授 (20163074)
國下 多美樹 龍谷大学, 文学部, 教授 (30644083)
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50183067)
小田 裕樹 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (70416410)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東アジア / 古代 / 都城 / 葬地 / 比較史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究実績は、以下の通りである。 1.国際共同研究本格化のため、8月26日韓国・忠南大学校博物館において第一回国際シンポジウム「東アジア古代都城と墓域」を開催した。同大学校百済研究所主管のもと東アジア比較都城史研究会(本科研研究組織)が主催し、日中韓の研究分担者・協力者10名が報告し、指定討論者や参加の研究者らと討論を行うなど研究交流した。シンポジウムのために予稿集『東アジア古代都城と墓域』(日中韓3ヶ国語、総264ページ)を作成し、当日は約100名(うち研究者80名)の参加を得て盛況裏に終えた。なおこれに先立ち6月に西安で来年度夏中国で開催予定の国際シンポジウムの打ち合わせを行い、中国社会科学院考古研究所西安研究室の全面的協力を得ることが約された。また東西比較史の観点から、29年1月にローマ・ビザンツにおける首都と葬地の問題について、ローマ・ビザンツ史及び地中海考古学の研究者3名を招き第二回共同研究会を開催し、他分野との研究交流を図った。 2.都城と葬地の踏査では、8月中旬中国・河南省で洛陽を中心に歴代都城と葬地の踏査を、中国社会科学院考古研究所洛陽站の協力のもと実施した。またシンポジウム終了後、8月末~9月初慶州国立文化財研究所の協力を得て、慶州を中心とした新羅の都城と王陵・葬地の踏査を実施した。なお6月には山西省の都城と王陵・葬地を中国社会科学院考古研究所の協力のもと踏査した。さらに29年3月下旬、1月の共同研究会を踏まえローマにおいて古代都市と墓葬に関する踏査を実施した。いずれにおいても写真多数を撮影し、現在WEBで公開するべく写真の整理を進めている。 3.昨年度導入したスキャナなどで、踏査及び研究に必要な図面や地図を中心に、関連する研究資料や図書のデジタルデータ化を進めた。ただしそのほとんどに著作権の問題があり、公開するには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究を実施するに当たって立てた研究計画に関して、以下の点からほぼ予定通りに進んでいると判断した。 1.国際共同研究に当たり、研究本格化の第一年度として、日本・中国・韓国の研究分担者や研究協力者とその所属機関からの協力のもと、韓国忠南大学校百済研究所の全面的協力を得て、第一回の国際シンポジウム「東アジア古代都城と墓域」を開催できた。また、本年度実施した国内外での踏査において関係諸機関の絶大なる協力を得ることができ、古代都城遺跡と葬地・墓葬に関する踏査を無事終えることができた。また、29年度中国で実施予定のシンポジウムについても協力を得られることが約された。 2.他の研究分野との研究交流については、西洋古代・中世史及び地中海考古学の研究者と共同研究会を持つことができ、その成果を踏まえてローマ周辺での踏査を問題なく実施できた。 3.A1サイズの資料を読み込めるフラットヘッドスキャナーを導入して実施した、踏査及び研究に必要な図面や地図、書籍などのデジタルデータ化は順調に進んだが、それらの踏査のみならず具体的な研究における利用を今後一層進める必要がある。 4.踏査の際に撮影された写真や踏査の日誌、研究会の内容・様子やその際配布された資料などの公開については一部未発表資料などを含んでいたため公開を実現できなかったが、今後共同研究の内容公開について一層の努力をはかりたい。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究に当たって立てた研究計画に関して、以下のように一層の推進をはかりたい。 1.国際共同研究について、シンポジウムは28年度の韓国での実績を踏まえ、29年度中国において一層レベルアップした研究報告と討論を展開したい。また、今後開催する共同研究会や遺跡踏査の際に可能な限り共同研究者間での直接的対話・検討を進めたい。そのためにはまず遺跡のある現地を実地に踏査し検討することを重視して行きたい。また、研究分担者や研究協力者とその所属機関、特に中国・韓国の研究協力者とその所属機関から得られた協力関係を研究推進のための基盤とし、一層の研究交流・協力、そしてその根本にある信頼関係の深化・醸成を進めたい。また、他の研究領域・分野の研究成果と課題を知るべく、それらの分野の研究者との共同研究会の開催及び研究交流を図りたい。 2.A1サイズの資料を読み込めるフラットヘッドスキャナーや以前採択された科研で購入し使用していたA3サイズのスキャナーなどを駈使して、今後も収集資料や書籍のデジタル化を推進し、単にデータとして蓄積するだけでなく、踏査及び研究での利用を一層進めてゆきたい。そのためには共同研究者内で巨大なデータの速やかかつ安全な共有が必要であり、様々な方法を試みたい。 3.踏査の際に撮影された写真や踏査の日誌、研究会の内容・様子やその際配布された資料などの公開については未発表資料などを含んでいたため公開を実現できなかったが、今後共同研究の内容公開に当たって一層公開に向けた努力をはかり、そのためにまずWebページの充実と速報性を重視したい。その上で可能な限り資料などの公開を進めたい。
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Research Products
(17 results)