2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creating "otherness" and reconstruction of space in the European Eastern borderlands
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15H01898
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
篠原 琢 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20251564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健太 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (00749062)
吉岡 潤 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10349243)
青島 陽子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20451388)
林 佳世子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30208615)
古谷 大輔 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (30335400)
小森 宏美 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50353454)
秋山 晋吾 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50466421)
中澤 達哉 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60350378)
小山 哲 京都大学, 文学研究科, 教授 (80215425)
池田 嘉郎 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80449420)
前田 弘毅 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (90374701)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 境界地域 / 中央ヨーロッパ / ナショナリズム / ガリツィア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究期間の最終年度にあたり、期間全体を総括した。ポーランドの国際文化研究所(クラクフ)、およびスロヴァキア文化財保全局(ブラチスラヴァ)と行なった共同調査・セミナー「ボヘミア・モラヴィア・スロヴァキア」境界地域研究は、以下の諸点を分析対象として成果を上げた。1. 大モラヴァ国の古層、および中世初期・中期のキリスト教伝播経路と諸王国の形成過程についての近現代史における想起、記念、象徴性、2.地方社会の文化的境界とハプスブルク君主国、3. 建築・都市計画における各国民国家の国家理念の表象の比較研究(ポーランド、チェコスロヴァキア)。本研究は、境界地域を問題索出的な分析概念として定義することを目指してきたが、2016年度のシュレージエン/シロンスク/スレスコを対象とする調査を引き継ぎながら、近世から現代にいたる中央ヨーロッパにおける境界生成の動態的な諸相を明らかにすることができた。 3月には、昨年に引き続き境界地域としての「ガリツィア」をテーマとする国際セミナーを東京で行なった。ガリツィアは元来、ポーランド王国とルーシ諸公国との境界地域であり、ルーシ法とローマ法の伝統、ローマ・カトリックと正教文化とが交錯した。さらに都市人口に占めるユダヤ教徒の割合は高く、文化規範の多様性は、身分・階級・階層に重なり合って、ガリツィアの境界性を高めた。19世紀後半のガリツィアは、ウクライナ・ナショナリズム、ポーランドの民衆的ナショナリズム、そしてイディシズムやシオニズムといったユダヤ・ナショナリズムの中心地となり、境界性は、文化的・社会的問題として焦点を結ぶことになる。二つの世界大戦によって、この境界性は、急進的な政治的暴力と結びついて、地域の歴史的連続性は破壊された。こうして境界性が生成・発展する場として、ガリツィアを「現象」として捉える視点が、2度の国際セミナーを通じて明らかとなった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(36 results)