2017 Fiscal Year Annual Research Report
Colonial Modernity in the Andes: A Comprehensive Study of Voceroy Toledo's General Resettlement
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15H01911
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
齋藤 晃 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (20290926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網野 徹哉 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60212578)
渡部 森哉 南山大学, 人文学部, 教授 (00434605)
岡田 裕成 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00243741)
坂本 宏 中央大学, 経済学部, 准教授 (80733261)
近藤 康久 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (90599226)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 民族学 / 西洋史 / 考古学 / エスノヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロ分析では、在来の民族集団(レパルティミエント)と集住化により建設された町(レドゥクシオン)の関係を把握し、視覚化し、分析するための基礎作業を実施した。副王トレドの納税額査定記録から関連するデータを抽出し、リソース・デスクリプション・フレームワーク(RDF)という人文情報学の記法で記述し、コンピューター処理することで、民族集団と町の関係を総体的に視覚化することに成功した。 ミクロ分析では、一昨年度と昨年度の調査データを地理情報システム(GIS)に取り込むとともに、担当者がそのデータをくわしく分析し、当該地域固有の特徴を解明した。 テーマ分析では、研究分担者と海外共同研究者が各自のテーマに沿って文献調査や遺跡調査を実施した。その成果は2月の国際シンポジウムで公表された。 6月上旬、東京大学で開催された日本ラテンアメリカ学会第38回定期大会において、「副王フランシスコ・デ・トレドの総集住化の総合的研究―人文情報学の方法による貢献」と題するパネルを実施した。このパネルでは、マクロ分析の技術と方法を説明し、暫定的成果を公表した。 2月、ヴァンダービルト大学(米国、ナシュビル市)で「攪乱する再定住―植民地期アンデスにおける先住民の強制的集住化」と題する国際シンポジウムを開催した。このシンポジウムでは、研究分担者と海外共同研究者が集合し、これまでの研究成果を報告し、議論を交わした。これらの報告に基づいて、英語の論文集が作成される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内メンバーに加えて、海外共同研究者の積極的な協力により、一昨年度に米国のナシュビル市、昨年度に南米ボリビアのラパス市、本年度にふたたび米国のナシュビル市で国際シンポジウムを開催した。本年度のシンポジウムでは、高いレベルの研究成果が披露され、論文集作成の準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロ分析では、これまでに作成した各種のデータベースと視覚的ツールをより多角的に分析し、副王トレドの総集住化の全体的特徴を解明する。また、RDFにより記述した民族集団と町の関係をあらわす視覚的ツールをさらに改良し、ウエブ上の公開を目指す。 ミクロ分析とテーマ分析では、これまでの調査で収集したデータをさらにくわしく分析し、その成果を論文にまとめる。 7月中旬、サラマンカ大学(スペイン、サラマンカ市)で開催される第56回国際アメリカニスト会議において、「トレドのレドゥクシオンへの新たな視線―間地域的・多分野的対話に向けて」と題する国際シンポジウムを実施する。 年度後半には、英語の論文集の執筆・編集作業をおこなう。
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Research Products
(38 results)