2015 Fiscal Year Annual Research Report
女性に対する暴力の実態把握と科学的妥当性・信頼性の高い被害者調査の創出
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15H01922
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
津島 昌弘 龍谷大学, 社会学部, 教授 (60330023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜井 浩一 龍谷大学, 法学部, 教授 (60373106)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 女性に対する暴力 / 犯罪被害調査 / 調査の妥当性・信頼性 / ドメスティック・バイオレンス / セクシャル・ハラスメント / ストーカー行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次年度に行う本調査(訪問面接による大規模標本調査)の内容及び実施方法について検討するとともに、調査の準備作業に着手した。 まず、欧米など調査先進国における女性への暴力に関する被害調査の取り組みについて、文献・論文・HPなどを通じて、情報を収集した(4月から8月)。8月に、社会調査法、被害者学や女性学を専門とする研究者からなる研究会を立ち上げ、調査の内容、回答者のプライバシーや心情に十分配慮した実施方法について検討した。9月に、研究代表者・分担者は、European Union Agency for Fundamental Rights(FRA: 欧州人権庁)を訪問し、EU加盟国において実施された「女性に対する暴力に関する被害調査」の責任担当者Sami Nevala氏から、同一の調査票を使用することに対して許可を得た。Nevala氏は調査実施について様々な注意点を説明してくれるとともに、将来的な支援に応じてくれた。調査票の素訳は1月に完成。2月からは、委託調査会社の選定のため、複数の調査会社との交渉に着手した。そこでは、委託費とともに、調査設計について検討した。検討事項には、面接調査員を対象とする研修プログラムや新たな調査手法(CAPI:コンピュータ支援の聞き取り調査)の導入などが含まれる。次年度早々には、委託調査会社を選定する予定である。 3月には、EU調査に携わったAngela PATRIGNANI 氏(国連犯罪司法研究所 Emerging Crimes Unit 室長)を招聘し、公開講演会「女性に対する暴力~ヨーロッパにおける調査結果から~」を開催した。また、PATRIGNANI 氏からは、次年度に実施する本調査に備えて、様々なアドヴァイスをもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
10月に、研究代表者の不測の病気により、11月以降からの調査会社への聞き取り調査を延期する必要が生じた。しかし、1月までには病状が回復し、日程調整の結果、2月から調査会社への聞き取り調査を実施することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本調査(訪問面接による大規模標本調査)を実施する。 年度の早い時期に、委託調査会社を選定する。調査の準備が整った時点で、研究代表者・分担研究者が所属する大学の調査倫理委員会に調査の実施申請を提出し、承認を得る。また、調査に際しては、調査員を対象とした研修プログラムを実施する。 調査終了後、データセットが作成され次第、女性への暴力の現状、暴力の背景や被害者の被害後の対応について分析する。そして、分析結果を欧米諸国のそれと比較し、日本における暴力被害の特徴や課題を確認する。適宜、研究会を開催し、そこで、検証結果から導かれた知見やさらなる研究課題を共有する。
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Research Products
(1 results)