2016 Fiscal Year Annual Research Report
現代独仏民事責任法の融合研究―日本法の再定位を目指して
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15H01924
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中原 太郎 東北大学, 法学研究科, 准教授 (60401014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋 神戸大学, 法学研究科, 准教授 (10456767)
山本 周平 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (10520306)
荻野 奈緒 同志社大学, 法学部, 准教授 (30546669)
大澤 逸平 専修大学, 法務研究科, 准教授 (40580387)
齋藤 哲志 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50401013)
長野 史寛 京都大学, 法学研究科, 准教授 (60551463)
根本 尚徳 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (30386528)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 民事責任 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / ドイツ:フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目にあたる平成28年度は、全体会合を7月(仙台)と1月(東京)の2回に分けて開催し、各研究者が前年度以来取り組んできた現代独仏民事責任法の具体的課題とその中間的成果を共有するとともに、引き続き検討を進めるべき事柄を確認した。また、同時に全体研究会を開催し、7月には海外研究協力者であるヨナス・クネチュ教授(ラ・レユニオン大学)にフランス民事責任法改正の最新動向について報告を行ってもらうとともに、3月の研究会では2名の研究分担者が、各人の今年度の成果報告の意味も込めて、ドイツ・フランス不法行為法の具体的なテーマ(知的財産侵害における利用料相当額の返還請求、不法行為責任の機能)について報告を行い、それぞれにおいて参加者の間で活発な意見交換をした。さらに、3月には、フランスから、海外研究協力者であるパトリス・ジュルダン教授(パリ第1大学)、アンヌ・ゲガン=レキュイエ准教授(同)、ジョジアンヌ・キャリエール=ジュルダン弁護士を招き、フランス不法行為法の古典的問題(契約責任と不法行為責任の関係、人身侵害)・現代的問題(環境損害の賠償、多衆侵害型の不法行為)について報告をしてもらい、活発な議論を行うとともに、知見を深めた。また、若手研究者の研究交流の推進をも目的とする本科研の趣旨に沿うべく、前年度に引き続き、代表者・分担者以外の多くの研究者の参加を得た。 個人レベルでは、各人の問題意思に沿った研究を進め、今年度も多くの業績を公表することができた。この中には、雑誌論文・図書のみならず、外国語による学会発表・論文も多く含まれ、独仏民事責任法に照らした日本法の独自性を発信するという本科研の主要目的が着実に達成されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体会合及び全体研究会により、各研究が取り組むべき具体的課題の確認と中間成果の共有が図られ、各人においてその検討が進められているほか、前年度以来、日本語・外国語での成果の発表・公表が順次なされており、本科研の研究目的は順調に進展している。 独仏民事責任法の現代的動向を扱う本研究課題においては、海外研究者との連携が非常に重要であり、前年度より具体的計画を協議してきたところ、今年度においては、早速、ヨナス・クネチュ教授(ラ・レユニオン大学)やパトリス・ジュルダン教授(パリ第1大学)等の招聘を実現し、フランス不法行為法の最新動向について有意義な情報共有・意見交換をすることができた。これらの講演原稿は、関連資料(法律草案等)とともに、すでに翻訳を公表し、あるいは公表予定であり、学界全体での成果共有も進められている。また、前年度に引き続き、本科研費の分担者には含まれていない有力な若手研究者との間で、連携研究者としての協力を得る旨の合意が形成され、本科研の研究会の規模はさらに拡大しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度以降は、引き続き、全体会合及び全体研究会を活発に行い、各自の具体的研究課題の成果の共有と意見交換を積極的に行うほか、研究テーマ・問題意識の近い研究者相互の協力体制も推進し、必要に応じて独立の研究班として先端的な研究を推進することも念頭に置く。なお、前年度より研究分担者の山本周平(北海道大学)、今年度より研究分担者の大澤逸平(専修大学)・長野史寛(京都大学)がドイツ又はフランスでの在外研究をスタートさせ、各国法の最新動向に関する情報共有を行うとともに、海外研究者とのさらなる連携強化を図る予定である。 独仏民事責任法の現代的課題は極めて多様であり、また代表者・分担者のこれまでの研究実績に照らし、その迅速・適切な把握が困難なテーマも存在することから、海外研究協力者を日本に招聘し、独仏民事責任法の現状について情報提供をしてもらうことは、前年度に引き続き本科研の重要な課題である。前年度はフランスの研究者の招聘を行ったところ、今年度においては、これを継続するとともに(すでに内諾を得ているジャン・セバスティアン=ボルゲッティ教授(パリ第2大学)等の招聘を考えている)、ドイツの研究者の招聘にも着手し(分担者の1人と親交が深く、比較法にも通じているアンドレ・ヤンゼン教授(香港市立大学)の招聘を計画中)、前年度と同様、中規模のセミナーの形で本科研メンバーとの意見交換を行うことにしたい。また、引き続き、国内の外部研究者との連携を強め、全体研究会への参加を請うとともに、必要に応じて具体的な研究テーマに関する報告を依頼し、問題意識の涵養・共有を図る。
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Research Products
(28 results)
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[Book] Droit du Japon, Bibliotheque de l'Association Henri Capitant2016
Author(s)
Taro Nakahara, Nao Ogino, Tetsushi Saito (responsable), Keita Baba, Hiroki Hatano, Shusuke Kakiuchi, Ayano Kanezuka, Ichiro Kitamura, Yuichiro Mizumachi, Lisa Oshima, Kazushi Sugimoto, Nobyyuki Takahashi, Kyoichi Toriyama, Hajime Yamamoto, Kazuma Yamashiro, Mika Yokoyama
Total Pages
106(79~85、71~75、87~92)
Publisher
LGDJ
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