2018 Fiscal Year Annual Research Report
現代独仏民事責任法の融合研究―日本法の再定位を目指して
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15H01924
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中原 太郎 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (60401014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋 神戸大学, 法学研究科, 准教授 (10456767)
山本 周平 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (10520306)
根本 尚徳 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (30386528)
荻野 奈緒 同志社大学, 法学部, 教授 (30546669)
大澤 逸平 専修大学, 法務研究科, 准教授 (40580387)
齋藤 哲志 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50401013)
長野 史寛 京都大学, 法学研究科, 准教授 (60551463)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 民事責任 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年目にあたる平成30年度は、全体会合を7月(神戸)と2月(東京)の2回に分けて開催し、各研究者における中間的成果の共有を行い、最終年度を迎える来年度の本研究課題の推進及び成果発表のあり方について意見交換を行った。また、3月に(東京、京都の2回)、海外研究力者であるジャン=セバスティアン・ボルゲッティ教授(パリ第2大学)に、「今日のフランス法における比較法の妥当性」及び「フランス民事責任法改正へのもう一つの視線-その関与者及びプロセスが改正の性質及び内容に及ぼす影響」と題する講演をしてもらい、活発な議論を行った(前者は本研究課題の核心に関わる根源的なテーマであり、後者は現在進行中のフランス民事責任法改正の制度的背景を掘り下げるものであり、いずれも極めて貴重な内容を扱うものであった)。また、全体会合と同時に全体研究会を開催し、7月には2名の研究分担者(荻野、田中)が、2月には研究代表者(中原)と2名の連携研究者(遠藤史啓准教授、村田健介准教授)がそれぞれの研究テーマにつき報告を行った。講演会・研究会とも、若手研究者の研究交流の推進をも目的とする本科研の趣旨に沿うべく、研究代表者・研究分担者以外の多くの研究者の参加も得た。 個人レベルでは、各人の問題意思に沿った研究を進め、平成27年度から平成29年度と同様、今年度も多くの業績を公表することができた(そのほか、平成28年度に招聘したフランス人研究者の講演の翻訳も公表した)。この中には、雑誌論文・図書のみならず、外国語による学会発表・論文も含まれており、独仏民事責任法に照らした日本法の独自性を発信するという本科研の主要目的の1つが着実に達成されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体会合及び全体研究会により、各研究者が取り組むべき具体的課題の確認と中間成果の共有が図られ、各人においてその検討が進められているほか、日本語・外国語での成果の発表・公表が順次なされており、本科研の研究目的は順調に進展している。 独仏民事責任法の現代的動向を扱う本研究課題においては、海外研究者との連携が非常に重要であり、開始年度より具体的計画を協議・実現してきたところ、今年度においては、独仏民事責任法の双方に精通するジャン=セバスティアン・ボルゲッティ教授(パリ第2大学)の招聘を実現し、ドイツ法との対照でのフランス民事責任法の基層について有意義な情報共有・意見交換をすることができた。その講演原稿は、翻訳を公表する予定であり、学界全体での成果共有も進められている。また、開始年度から引き続き、本科研の分担者には含まれていない有力な若手研究者との間で、連携研究者としての協力を得る旨の合意が形成され、今年度はその具体的な研究報告をうかがうことができた。連携研究者との共同での成果公表に向けて、本科研の規模は着実に拡大している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度を迎える平成31年度は、引き続き、全体会合及び全体研究会を行うが、各自の具体的研究課題の成果の共有と意見交換のみならず、年度内の刊行を目指している本研究課題の成果本(各研究者が執筆する独仏民事責任法関連の論稿を集めたもの)の公表に向けた最終確認をも目的とする。なお、前年度より研究分担者の齋藤哲志(東京大学)及び長野史寛(京都大学)がドイツ又はフランスで在外研究を継続するところ、各国法の最新動向に関する情報共有を行うとともに、海外研究者とのさらなる連携強化を図る予定である。 独仏民事責任法の現代的課題は極めて多様であり、また代表者・分担者のこれまでの研究実績に照らし、その迅速・適切な把握が困難なテーマも存在することから、海外研究協力者を日本に招聘し、独仏民事責任法の現状について情報提供をしてもらうことは、引き続き本研究課題の重要な活動である。最終年度を迎えるにあたり、特に、フランス法の観点から見たドイツ民事責任法、ドイツ法の観点から見たフランス民事責任法についての包括的検討を行う必要があることから、平成31年度においては、パスカル・アンセル名誉教授(ルクセンブルク大学)及びシュテファン・ロレンツ教授(ミュンヘン大学)の招聘を計画しており、講演会の形で本科研メンバー及び外部者との意見交換を行いたい(これらの翻訳は前記の成果本に収録する予定である)。また、引き続き、国内の外部研究者との連携を強め、全体研究会への参加を請うとともに、成果本への収録を視野に入れた研究報告を依頼し、問題意識の涵養・共有を図る。
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Research Products
(31 results)
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[Book] 債権総論2018
Author(s)
荻野奈緒、石田剛、齋藤由起
Total Pages
280
Publisher
日本評論社
ISBN
978-4535806825
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