2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Long-term Consequences of the Atomic Bombing in Hiroshima
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15H01951
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Research Institution | Institute for International Policy Studies |
Principal Investigator |
清水谷 諭 公益財団法人世界平和研究所, 研究本部, 主任研究員(移行) (20377039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 康幸 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40322078)
光山 奈保子 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任研究員 (90767865) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 原子爆弾 / 被ばく / 長期的影響 / 低体重 / 握力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な目的は、十分取り上げられてこなかった被爆の長期的・社会経済的悪影響の定量的評価である。平成30年度は、最終年度として、収集・整理したデータセットの解析を集中的に行い、3本の英語論文にとりまとめ、現在査読中である。 まず"Long-term Consequences of the Atomic Bombing in Hiroshima" は、被爆の長期的影響に関する包括的な解析を行い、被爆者グループとそれ以外のグループの間では、結婚率や教育水準の平均値に有意な差がみられないが、従業上の地位、精神的健康、生存確率の点で被爆者グループは不利であり、また被爆者同士で結婚する割合が有意に高いことを明らかにした。管見の限り、被爆の長期的・社会経済的影響を定量的に明らかにしたのは世界で初めてで、福島の原発事故へのインプリケーションとしても重要な科学的知見が得られた。 次に"Life Course Consequences of Low Birth Weight: Evidence from Japan"は、幼少期のショックとして低体重の影響を取り上げ、幼少期の学校成績や健康には悪影響がみられるが、最終学歴や従業上の地位、一部を除いた高齢期のアウトカムには有意な悪影響は見られない、しかし被爆者の場合は、低体重による悪影響は、高齢期のうつ状態、生活満足度において有意に見られることが明らかにした。また"New Evidence on predictable validity of grip strength on later outcomes in Japan"は、握力の大きさが実際に数年後までの死亡率と有意に相関していることを確認した上で、被爆者の握力は有意に低いことを明らかにした。 このように本研究は被爆の長期的影響を包括的なアウトカムにおいて総合的かつ定量的に明らかにした。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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