2016 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding, measuring, and promoting crucial 21st century skills: Global communication, deep learning, and critical thinking competencies
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15H01976
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雅之 横浜国立大学, 教育人間科学部, 講師 (00708703)
田中 瑛津子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特任助教 (10754947)
横山 悟 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (20451627)
篠ヶ谷 圭太 日本大学, 経済学部, 助教 (30645289)
溝川 藍 椙山女学園大学, 人間関係学部, 講師 (50633492)
Sheppard Chris 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60350386)
植阪 友理 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 助教 (60610219)
子安 増生 甲南大学, 文学部, 教授 (70115658)
市川 伸一 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70134335)
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70195444)
深谷 達史 群馬大学, 大学院教育学研究科, 講師 (70724227)
瀬尾 美紀子 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (90431775)
小山 義徳 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90546988)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 21世紀型スキル / メカニズムの解明 / 測定方法の開発 / 指導法の開発 / 国際比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,グローバルコミュニケーション(GC),ディープラーニング(DL),クリティカルシンキング(CT)の育成について研究を行ったが,本年は特に,それらの到達度や変化をより正確かつ確実に測定する方法を開発し評価することに焦点を当てた。これらの研究成果は,学術誌や書籍に数多く掲載され,また国内外の学会で報告された(後述を参照)。 GCユニットでは,国内学会におけるシンポジウムの開催,国際学会における研究発表,本の出版(章を担当)という形で研究成果が示された。本年の焦点である測定方法については,プレゼンテーションスキルを測定するルーブリック,IRT(項目反応理論)による学習者の英語能力の簡単な測定,大学生の外国語に関する将来的なニーズを把握する方法について,開発と検討を行った。 DLユニットでは,第一に,対話的な学びに向けた基礎研究を行い,協同学習に対する信念,協同中の効果的な活動のあり方などを明らかにした。第二に,深い学びを促す指導法の工夫として,探究学習指導や道徳授業について具体的な提案を行った。第三に,主体的な学習者を育てるための指導のあり方として,失敗を活用する学び方を促す具体的な指導法や親の関わりなどについて明らかにした。 CTユニットでは,第一に,高校における2時点調査に基づいて,探究活動の内容によって,批判的思考態度と探究的学習スキルの向上のパタンが異なることを明らかにした。第二に,法・道徳観尺度と道徳判断を測定する課題を用いた調査結果に基づいて,批判的思考が道徳性に及ぼす影響を検討した。第三に,成人期以降の批判的思考態度の発達に関して,2時点縦断データ分析を行い,思考態度は,発達に伴って横断的には得点上昇がみられるが,縦断的には得点低下が見られ,調和性・経験への開放性の高い個人のほうがその後の批判的思考態度の得点が高い傾向にあることなどを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メンバーたちがきちんと構成され,連絡を密に取り合っていたため,平成28年の計画通りにプロジェクトが進んだ。8月21日に東京大学にて年次総会を開催し、メンバー全員が参加した。プロジェクトの15人のメンバーは3つのユニット(グローバルコミュニケーション[GC]ユニット,ディープラーニング[DL]ユニット,クリティカルシンキング[CT]ユニット)に分かれて活動し、各ユニットにはユニットメンバーの活動をまとめ、管理するコーディネーターが存在する。例えば,3つのユニットの中で最大のユニット(DLユニット)は,毎月メンバーの会合を開催した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトの3年目(2017年)は,着目するスキルの育成について提案,実行,評価を行うこととなる。日本においてだけではなく,海外の研究者らとの共同研究により,海外の学生を対象とした研究も行う予定である。 GCユットでは、英語教員をはじめとする教育者らが、英語教育におけるニーズを分析し,それに基づいてカリキュラムを再構成するための方法の開発などを予定している。具体的には,下記の3点について開発と評価を行う。(1)英語学習における自己モニタリングと事故効力感の発達を促進する文章によるコミュニケーションを強化するための情報の構造化および統合を行うための図表使用に関する指導方法。 DLユニットでは,深い学びを促進する学習方略を使用することによる利点を生徒・学生がよりよく理解・認識できるようにするための方法を設計し,その効果の検討を行う。これにより生徒・学生は,将来の学習場面や他の適切な学習環境においてこれらの方略を自発的に使用することができる(つまり、転移を促進する)。また,教師の能力開発にも注力し,生徒・学生の深い学びをより効果的に実現できるようにする。さらに,生徒・学生が効果的な学習方略を使用できるよう指導するための指導教材を開発する。 CTユニットでは,21世紀スキルにおける批判的思考の測定と育成のための3つのプロジェクトを進める。第一に,高校における探求学習が,批判的思考態度および探求的学習スキルに及ぼす影響を,3時点のデータに基づいて検討する。第二に,方・道徳観尺度と社会的状況における道徳判断を測定する課題のそれぞれを再検討し,批判的思考と道徳性の間の関係を再検討する。第三に,批判的思考を規定する構成概念として,正直さー謙虚さと知的謙虚さに着目し,これらの個人差と批判的思考態度との関連性について検討する。
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Research Products
(88 results)