2017 Fiscal Year Annual Research Report
すばるHSCとSDSSで探る宇宙論的スケールの物質循環
Project/Area Number |
15H02064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 正己 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (40595716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正夫 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (10338585)
梅村 雅之 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (70183754)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光赤外線天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最後のHSC用フィルターの基板に対して、研磨作業を行った。さらに、これに対する干渉膜の蒸着が行われた。しかしながら、このフィルターは最大透過率が55%程度と仕様の70%をを満たしていない可能性があり、追加の性能試験を行いこのままの使用するかどうかの判断を行うことになった。また、これと並行して、HSC狭帯域フィルターで行った観測データの解析を進めている。狭帯域バンドで25等級をこえる良質なデータが得られ、このデータを用いたサンプルの構築および解析を現在行っている。解析の手法については、Ouchi et al. 2018およびShibuya et al. 2018にまとめられた。さらに、ガス循環の重要なプロセスであるoutflowについて、本研究で行う手法を確立し、outflow速度と星形成率の相関関係をまとめてSugahara et al. 2017として出版した。また、COSMOS領域の研究(Mukae et al. 2017)をさらに発展させるべく、 アメリカやドイツなどのHETDEX探査のチームとの国際共同研究を通し、HIガスとLAE分布の比較を開始した。この中で、HETDEXが検出した輝線天体をLAEとその他に分類する深層学習アルゴリズムを開発した。約80-90%の精度でLAEのtrue/falseソースを見分けることに成功した。このような初期結果を平成30年3月にマックスプランク研究所で発表した。また、3月26日ー30日に国際研究会Tokyo Spring Cosmic Lyman Alpha Workshopを東京大学において主催し、本研究の初期成果を報告し、今後の研究方針について議論した。その中で、VLT望遠鏡の3次元分光器MUSEの開発を行ったリヨン大学のグループとの共同研究を行い、HIガスおよびLAEのより詳細な測定量を得る検討を行うことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作成されたHSC狭帯域フィルターは平成29年度のものを除き、ほぼ要求仕様を満たしている。さらに平成29年度に作成したフィルターも、仮に仕様割れが確認されたとしても、最大透過率が15%少ないだけなので、研究全体に大きな影響を与えるものではない。
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Strategy for Future Research Activity |
狭帯域フィルターの最終チェックを完了させ、得られた観測データの解析を続ける。また、HETDEX探査との共同研究から、3次元的なLAEカタログを取得し、狭帯域フィルター探査のキャリブレーションを行うとともに、狭帯域フィルター探査で得られたLAEを補完する。さらに、MUSEとの国際共同研究により、LAE周辺の詳細なガス分布を得る研究への発展を模索する。
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Research Products
(9 results)