2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of bread board model of space gravitational wave interferometer DECIGO
Project/Area Number |
15H02087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓史 京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (80155837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修一 法政大学, 理工学部, 教授 (30425409)
田中 貴浩 京都大学, 理学研究科, 教授 (40281117)
武者 満 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 准教授 (40303028)
阿久津 智忠 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (40564274)
安東 正樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90313197)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宇宙重力波干渉計 / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙重力波望遠鏡B-DECIGOで期待できる観測や知見についての検討を継続的に進めるとともに、根幹となる技術の地上実証開発を進めた。2015年の重力波初観測以来、米国のLIGO, 欧州のVIRGOといった地上重力波望遠鏡では、これまでに連星ブラックホール合体からの重力波10イベント、連星中性子星からの重力波1イベントが観測されており、重力波天文学が本格化している。本研究で検討を進めているB-DECIGOは0.1-1Hzという低周波に感度を持ち、連星中性子星の合体を長期間観測することが可能であること、合体前の連星のパラメータを高精度で測定できることなどの特徴を生かした独自の観測の可能性を示した。さらに、B-DECIGOの具体的なミッション検討として、宇宙機のミッション部構成、リソース配分、軌道設計、制御系、ミッションシーケンス等の各要素、およびミッション全体としての成立性検討を進めるとともに、各要素技術への要求値ブレークダウンを進めた。装置開発の面では、レーザー干渉計の構成検討と開発、および、安定化レーザー光源の開発、ドラッグフリー・スラスタの開発を継続して進めた。干渉計開発としては、B-DECIGOの干渉計で用いられる双方向Fabry-Perot光共振構成の地上実証プロトタイプの開発を進め、鏡の懸架装置の制御に成功するなど、着実な進展があった。安定化レーザー光源においては、ヨウ素飽和吸収分光による安定化光源のブレッドボードモデルの開発を進めた。2台のブレッドボードモデルからの光のビートを測定することで、絶対周波数安定度の評価を行い周波数安定度や相対強度安定度において要求値をほぼ満たす結果を得た。ドラッグフリー・スラスタの開発としては、スラスタの推力雑音を目標要求値で評価できるスラスタスタンドを実現するとともに、スラスタを用いた制御実験を進め、制御を実現している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
B-DECIGOのサイエンス検討とレーザー干渉計、安定化レーザー光源、ドラッグフリー・スラスタの検討と開発という当初の目標に従って開発を進めた。特に、LIGOやVIRGOによる最新の重力波観測結果をに応じた検討を進め、B-DECIGOの科学的な重要性をより明確な形で示すことができた。低周波数(合体の数か月前)から重力波信号の観測が可能というB-DECIGOの特徴を行かし、連星中性子星合体を、合体時刻で1秒程度の精度、天球上の方向で数平方度の決定精度で事前アラートを出すことが可能という結果を得ている。これは、電磁波望遠鏡で合体の瞬間を観測することが可能になることを意味しており、例えばガンマ線バーストの後方ジェットからの電磁波観測など、従来にない観測が可能になる。装置に関してはB-DECIGOの干渉計としては、直径約30cmの鏡をもちいてフィネス100程度のFabry-Perot光共振を構成することになっている。この擬態的な光学系設計とともに、地上実証装置の検討も進めた。安定化レーザー光源においては、ヨウ素飽和吸収分光による安定化光源のブレッドボードモデルの開発を進め、0.5Hz/sqrt(Hz)の周波数安定度、10^(-7)/sqrt(Hz)の相対強度安定度という、要求値を満たす結果を得た。小型軽量化した3台目の開発を進め、その相互比較による絶対安定度評価を行った。また、ドラッグフリー・スラスタの開発として、スラスタスタンドの開発、および、ドラッグフリー制御の実証試験を進めた。B-DECIGOの観測目標の設定、および装置開発が進んでいると言える。したがって、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
B-DECIGO/DECIGOのサイエンス検討、ミッション検討と基礎技術開発を進める。レーザー干渉計の開発においては、小型堅牢化した構成のブレッドボードモデル2,3号機の改良と、それらの間の相互比較による絶対安定度評価をすすめ、光源の安定度向上をめざす。また、2つの衛星間で干渉計が動作していない状態から動作状態に引き込む初期捕捉系の検討を進める。レーザー干渉計の開発としては、干渉計の地上実証プロトタイプの開発を進め、初期捕捉から動作時の性能評価までの実証を行う。これは、鏡および衛星を模した光学系を振り子によって懸架することで宇宙の無重力状態を模し、その動作試験を行うものである。この実証試験によって、レーザー干渉計の動作点への引き込みと、安定な制御トポロジの実証を行う。スラスタ・ドラッグフリー制御の開発では、これまでに開発されたuNスラスタスタンド(微小推力計測計)の性能開発を進めるとともに、真空環境下でコールドガスジェットスラスタ等のスラスタの推力雑音の評価を行う。科学意義の検討としては、GW150914のような太陽質量の30倍程度の連星ブラックホールの合体、および、GW170817のような連星中性子合体を参考に、科学的価値の検討、ミッション要求やシステム要求の設定等の検討をする。最終的には、これらの検討・開発の進展で得られた知見を生かし、B-DECIGOのミッション提案書を取りまとめる。
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Research Products
(41 results)