2015 Fiscal Year Annual Research Report
X線自由電子レーザー利用のフェムト秒時間分割測定による二次相転移ダイナミクス研究
Project/Area Number |
15H02119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 誠 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70182293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 清信 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30273436)
松田 和博 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50362447)
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Project Period (FY) |
2015 – 2017
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Keywords | X線自由電子レーザー / 重合転移 / 光誘起相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存のクラスター生成装置と検出真空槽を用い、X線自由電子レーザー(XFEL)と波長800nmの光学レーザーを用いて、小さな分子やクラスターを試料として時分割計測の実験手法の確立を行った。波長などの特性が大きく異なる2つのレーザーで空間・時間的な重ね合わせを検証するために、レーザーの重なりにより生じる信号の同定と、簡便な調整手法の開発を進めた。最も簡単な計測手法であるイオンの飛行時間スペクトルにより、重元素を含む分子や希ガス・クラスターでの時分割計測に成功した。この際に、XFELの短パルス性(パルス幅10fs以下)を十分に活かすために、XFELと光学レーザーの時間ジッタを計測し、データ処理により数十fs以下の時間分解能を達成することに成功した。これにより、希ガス・クラスターとXFELの相互作用で、fs程度で起こる超高速な過程が存在することを見出した。 イオウおよびイオウ-ビフェニル系で試料温度を変えて小角X線散乱計測を行った。重合転移付近で小角X線散乱像の低角側の散乱強度に大きな変化を見出し、重合転移に伴う大きなゆらぎが、小角X線像に現れることを確認した。 XFELを用いるX線散乱実験では、最大60HzでX線散乱画像が取得されるため、適切なデータ抽出・解析の手法を確立することが、効率のよい実験遂行にあたって必須である。これまでに得られている小角X線散乱のデータなどを用いて、データのスクリーニングおよび解析手法の検討を進めた。特に小角X線散乱から得られる散乱パターンから、試料の中距離相関の情報を抽出する手法について、手法の検討とプログラム開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
XFELを用いた時分割計測についての実験手法の開発は、ほぼ順調に進行している。小角X線散乱あるいは広角X線散乱実験に時分割計測を適用し、20fs程度の時間分解能で構造変化を追跡する手法の確立については、原理的な部分に問題は解決しており、順次、検証実験を進められる状態にある。 試料については、希ガスなどの絶縁体試料に高強度レーザーを照射することで、絶縁体-プラズマ転移が誘起できることが明らかになっており、光誘起構造転移の試験実験には希ガス・クラスターを試料と出来ることが明らかになった。イオウでの光誘起構造転移については、小角X線散乱で見られるゆらぎの増大など、先行研究で見られた振る舞いは確認された一方で、利用可能なXFELの光源条件で重合転移に伴う構造変化を観測するためには、実験条件などのさらなる検討が必要である事もわかってきた。このため、イオウを始めとした、光構造変化が期待される幾つかの系で光誘起転移の観測を進め、XFEL実験に適した系を検討する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Transient Lattice Compression in the Solid-to-Plasma Transition2016
Author(s)
Ken R. Ferguson, Maximjlion Bucher. Tais Gorkhover, Albero Lutman, Agostino Marinelli, Jim Turner, Jason E, Koglin, Hironobu Fukuzawa, Yoshiaki Kimagai, Kiyonobu Nagaya, Kiyoshi Ueda, S ebastien Boutet, Garth J. Willians, Philip H. Bucksbaum, & Christoph Bostedt
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Journal Title
Science Advances
Volume: 2
Pages: e1500837
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Electron spectroscopy of rare-gas clusters irradiated by x-ray free-electron laser pulser pulses from SACLA2015
Author(s)
H Fukuzawa, T Tachibana, K Motomura, W Q Xu, K Nagaya, S Wada, P Johnsson, M Siano, S Mondal, Y Ito, M Kimura, T Sakai, K Matsunami, H Hayashita, J Kajikawa, X-J Liu, E Robert, C Miron, R Feifel, J P Marangos, K Tono, Y Inubushi, M Yabashi, M Yao, and K Ueda
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Journal Title
J. Phys. B : At. Mol. Opt. Phys.
Volume: 49
Pages: 34004
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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