2015 Fiscal Year Annual Research Report
南半球での超高層大気下部の大気重力波マッピング:ANGWIN網による空白域の調査
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15H02137
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
中村 卓司 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (40217857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 臣 愛知大学, 地域政策学部, 准教授 (60397479)
堤 雅基 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (80280535)
田中 良昌 国立極地研究所, 研究教育系, 特任准教授 (50425766)
齊藤 昭則 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10311739)
三好 勉信 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20243884)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ANGWIN / 超高層物理学 / 大気光イメージング / 大気重力波 / 大気上下結合 / 大気大循環 / 南極大気 / 中間圏界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
●課題1、イメージャネットワーク観測調査 南極大陸で2002年以来観測を行っている昭和基地での大気光観測について、感度の不足を解決するために、近赤外域OH(1-1.6 ミクロン)に感度を持つInGaAsカメラによる近赤外OHイメージャを開発した。その結果、S/Nを大幅に改善し時間分解能が従来の分単位から秒単位へ大幅に改良された観測を可能とした。開発したイメージャは。昭和基地に輸送し、定常観測を開始した。 ●課題2、大気重力波の統計解析調査 大気光イメージの新解析手法(位相速度スペクトル)をANGWINネットワークの各サイトでの観測パラメータ(撮影間隔等)に適応できるように改良を行い、各地の観測データを入手して新解析手法を適用してその性能を検証した。ユタ州立大学の有する南極域内4基地の異なる種類のイメージャの解析ソフトを適用して等質なスペクトルを得ることに成功した。また、開発したソフトウェアは、ユタ州立大や名古屋大学など他の研究グループにも配布して実施することを試み、これまでのデータチェックではうまく適用された解析が行われ、とくに後者では15年に及ぶ長期の中緯度スペクトルを得ることに成功した。 ●課題3、高エネルギー粒子降込みの影響の評価 オーロラが起源と思われる重力波を多く解析するために画像をサーベイしたが、昭和基地などオーロラ帯直下の大気光データではオーロラ光の漏れこみが予測よりも頻繁であった。今後新開発の近赤外OHイメージを用いて、その漏れこみ度合いを調査することとした。 ●課題4、中低緯度との結合の調査 ISS(国際宇宙ステーション)/IMAP の衛星からの大気光イメージャデータで南北両半球の緯度53度までの大気重力波マップを詳細に調べた。235個の同心的構造を持つ大気重力波の分布から中緯度の重力波ソースやとくに南半球での11月頃の活発な励起などを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
イメージャ観測は開発が順調で高感度観測を予定通り開始できた。不安定構造を含めた高画質の高時間分解能画像が取得できていることは予想以上の成果である。解析方法の改良とその適用についても、数々の学会で好評であり、またユーザーが着実に増え、成果を出しているなど予想以上の進展である。粒子降込みの影響については、オーロラそのもののコンタミネーションが予想以上に激しく、これを抑えた解析方法について検討をすることとなった。中緯度との結合については、IMAP衛星データの結果の取りまとめに成功してその反響も大きく、予想以上の成果といえる。総合すると本年度は当初計画以上の進展であると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の進展は良好であり、さらに国際協力・国際共同研究を進展させ、大きな成果を狙って行きたい。とくに、衛星観測およびモデリングと観測データ解析との協調を進めたい。
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] 3-years Occurrence Variability of Concentric Gravity Waves in the Mesopause Observed by IMAP/VISI,2015
Author(s)
S. Perwitasari, T. Sakanoi, Y. Otsuka, A. Yamazaki, Y. Miyoshi, Y. Hozumi, A. Saito,
Organizer
AGU fall meeting 2015
Place of Presentation
San Fransisco, CA, USA
Year and Date
2015-12-14 – 2015-12-18
Int'l Joint Research
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[Presentation] 南極大気精密観測に基づく地球気候変動機構に関する研究―第 IX 期南極地域観測 事業重点研究観測計画―2015
Author(s)
佐藤 薫, 堤 雅基, 佐藤 亨, 中村 卓司, 齊藤 昭則, 冨川 喜弘, 西村 耕司, 高麗 正史, 西山 尚典, 江尻 省, 阿保 真, 川原 琢也, 水野 亮, 長濱 智生, 鈴木 秀彦
Organizer
第138回 地球電磁気・地球惑星圏学会総会および講演会
Place of Presentation
文京区、東京大学
Year and Date
2015-10-31 – 2015-11-03
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[Presentation] Mesosphere and lower thermosphere observations at Syowa Station, the Antarctic (69S, 40E),2015
Author(s)
Nakamura, T., K. Sato, M. Tsutsumi, T. Sato, JARE VIII-th term AJ1 project
Organizer
12th international workshop on Layered Phenomena in the Mesopause Region
Place of Presentation
Boulder, CO, USA
Year and Date
2015-08-10 – 2015-08-13
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Recent observations and studies of the middle and upper atmosphere at Syowa Station (39.6E, 69S)2015
Author(s)
Nakamura, T., K. Sato, M. Tsutsumi, T. Yamanouchi, T. Sato, Y. Tomikawa, K. Nishimura, M. K. Ejiri, M. Abo, T. T. Tsuda, T. Kawahara, H. Suzuki, A. Mizuno, T. Nagahama, H. Yamagishi, A. S. Yukimatu, M. Kohma, Y. Isono, T. Nishiyama, and T. S. Matsuda
Organizer
AOGS 12th Annual Meeting
Place of Presentation
SUNTEC Singapore, Singapore
Year and Date
2015-08-02 – 2015-08-07
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Horizontal phase velocity distributions of gravity waves observed by Antarctic Gravity Wave Imaging/Instrument Network (ANGWIN), using 3-D spectral analysis technique2015
Author(s)
T.S. Matsuda, T. Nakamura, M.K. Ejiri, M. Tsutsumi, M.J. Taylor, Y. Zhao, D. Pautet, T.M. Griffin, D. Murphy,
Organizer
26th IUGG General Assembly 2015,
Place of Presentation
Prague Congress Center, Prague, Czech Repblic
Year and Date
2015-06-22 – 2015-07-02
Int'l Joint Research
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