2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H02147
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
片山 郁夫 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10448235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 博 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 環境再生材料ユニット, 主任研究員 (20400426)
河合 研志 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (20432007)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 摩擦特性 / 粘土鉱物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題の目的は,粘土鉱物の摩擦特性に対する湿度の効果を明らかにすることであり,本年度は二軸摩擦試験機に湿度制御装置を新規導入した。本装置では,2つの容器の温度を別途制御することにより,飽和水蒸気圧の違いから湿度をコントロールするものであり,そのような湿度を制御した環境で摩擦実験を行える装置は世界をみても大変ユニークなものである。これまでの予備実験の結果,湿度を5%から100%まで調整することが可能になり,各湿度での誤差は5%以内に収まることがわかった。これまでの予察的な摩擦実験では,モンモリロナイトの摩擦係数は湿度の上昇によって低下する傾向が示されたが,湿度100%であっても,水槽を用いた水飽和環境よりは摩擦係数が高い傾向が示された。そのことから,粘土鉱物の層間に取り込まれた水分子に加え,鉱物界面での吸着水の存在も摩擦係数を低下させる働きを持つことが示唆される。来年度は,本年度に立ち上げた湿度制御装置を用いて,粘土鉱物の摩擦係数に対する湿度の効果を定量的に評価する予定である。なお,Na型モンモリロナイトをはじめとしたいくつかの粘土鉱物では,層間距離が湿度上昇により不連続に増加することが知られており,層間距離と摩擦係数の関係についても評価したい。また,粘土鉱物界面での吸着水の影響をみるために,湿度制度環境下において垂直応力を変化させ,薄膜水の厚さと摩擦係数の相関関係も検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は湿度制御装置の導入を行い,予備実験により湿度を5%以内に制御した環境で実験を行えることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,新規導入した湿度制御装置を用い,粘土鉱物の摩擦特性に対する湿度の効果を定量的に評価する予定である。
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Research Products
(9 results)